10月31日(木曜) 深夜
また風邪気味です。体調が悪いと、ちょっとしたことがすごい大仕事に思えてくる。
今日も気力をふりしぼって数々のことを成し遂げた気がする。ベランダから洗濯物を取り入れたし、買ってきた缶ジュースを冷蔵庫に入れたし、寝るために布団も敷いた。
「がんばらなくてもいいんだよ」なんて類の言葉が少し前に流行ったけれど、今日のぼくは違うと断言できる。
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そういや「毛布の葛藤」 (Conflict of mofu) という現象を思い出す。いまぼくが名付けた。
寝ているあいだに無意識のうちに毛布を蹴っていて、寒さで目が覚めることがある。そんなとき、もう一度ちゃんと毛布を敷きなおせば暖かく快適に寝られるのだが、「いったん起きて毛布を敷きなおす」というのがこれまた面倒なんである。
で、両足をモゾモゾ動かしてたぐり寄せてみたりと悪あがきしてみるも、たいていはうまくいかずイライラする。ここで一念発起して抜本的解決をとるか、中途半端な状態のまま妥協するか。オトナとコドモの違いを実感する一瞬である(ぼくはたいてい後者だけど)。
ただ、風邪をひいたりして調子が悪いと、この面倒さがますます加速するから難儀なのだ。しんどいものだから「いったん起きて毛布を敷きなおす」気力がどうしても湧かず、ひたすらじっと寒い寝床に耐えている始末。これでは治る風邪も治らない。
ぼくは進化論を盲信しているつもりだが、こういうことがあるとちょっと揺らぐ。
10月30日(水曜) 深夜
強姦犯のことを英語では「レイピスト」と言うらしい。
そういや以前、「レイプマン」という連載漫画があったのを思い出すが、これは和製英語だったらしい。この漫画が海外で人気を博したおかげで、レイプマンという単語が逆輸出(?)されたというエピソードも聞きかじったことがある。
それはさておきレイピスト、なんだか響きが上品で優雅だから妙な感じを受ける。連想するのは「ピアニスト」とか「セラピスト」、「アルピニスト」といった専門家の数々。いやまァ、レイプ犯も専門家なのかもしれないけど。
「こちらは全国的に有名なレイピストの○○さんです!」
道徳観念が旺盛なぼくとしては、「レイプはしないほうがいい」と声を大にしておきたいと思います。
10月29日(火曜) 夜
学生時代の友人A君(29歳未婚)が警察に捕まったらしい。本人から電話があった。
なにかと思って詳しく聞いてみて呆れた。駅前で見つけた無施錠の自転車をこっそり自分のものにして乗っていたところ、警官に職務質問され、防犯ナンバーから盗難車であることがバレてしまったのだという。
そのまま交番に連行されて数時間にわたる取調べ。最新型のコンピューターで指紋まで採取されたらしい。自転車を失敬したばかりにこの体たらく、まったく運がないというかバカというか。
さらに帰る際には身元引受人として誰かが来なければならず、仕方なく両親に電話して来てもらったとのこと。29歳の息子が自転車泥棒で捕まって出頭する親もさぞかし情けない気分だったろう。
だがA君は最後にボソッと言っていた。「取調べが終わったらタダでコーヒーもらえるんや。警察に捕まったら得するなァ」。
バカは警察に捕まったくらいでは治らないということでした。ポクポク。
10月28日(月曜) 夜
本日の石碑。
こういうよく分からない「現代芸術」はよく見かけるが、写真のやつはタイトルだけは分かりやすく「クリエーターの碑」。世のクリエイターたちを讃えるための石碑であるらしい。ぼくがもしクリエーターだったら、こんな妙なものには讃えられたくないなァと思う。
それはさておき、タイトルの下に書かれている文章。写真では読みとりにくいが「振り向けば我ひとり」と。
これは孤高というより単に浮いているだけだろう。たしかにこんなモノばかり作っていたら「振り向けば我ひとり」になりそうな気がする。気がつけばハシャいでるのは自分一人だったという感覚。ぼくも経験があるのでよく分かる。
今後、一人で浮いてしまう状況におちいったら、「クリエイターだから」と自分を納得させることにしよう。仕事のミスのクリエイターだったり、自己嫌悪のクリエイターだったり、迷惑のクリエイターだったりと、ぼくにもいろんなクリエイターになる資質がありそうな予感。
10月27日(日曜) 夜
エンゲル係数の高い人には「わが友!」と心和む思いを抱いておったわけですが。
先日、高級店を食べ歩くのが趣味という人がいた。こずかいの大半を美味しい料理を食べに行くのに使っているとのこと。たしかにエンゲル係数はずば抜けて高いんだろうけれど、腑に落ちない感満点です。
まァぼくも、酒のせいでエンゲル係数が跳ね上がってるんですが。発泡酒で。
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本日の自販機。
ポカリスエットってポッカコーヒー社だったっけ!?
いや、ポカリは大塚製薬のはずである。「ポッカ」と「ポカリ」の語呂が似ているから危うく丸め込まれるところだった(べつに危なくもなんともないんですが)。それとも商品名が似ているからお互いに歩み寄ったのか。
こういうコラボレーションは新しいものを全然産み出さないから気分がいいですな。
10月26日(土曜) 夜
先日、テレビの動物番組で鳥の特集をやっていた。
その中で「ある池に大発生した虫を食べるためにいろんな鳥が集まってくる」という映像が流されていた。カモや白鳥など上等の鳥もくれば、スズメのような安物の鳥もくる。大小いろんな鳥たちが同じ虫を一心不乱に食べているのだった。
上等の鳥も安物の鳥も同じエサ。貴賤のない世界の一端を垣間見たような気がする。
我々人間の場合、金持ちと貧乏人とでは食べ物がずいぶんと違うことだろう。でもここで頭に浮かぶのはパンチラだ。電車の向かい席のミニスカート女性がパンチラしているとき、こちら側の男性は老いも若きも、中学生も会社員も、みんな同じ一点に視点が集中する。ここには年齢の差も収入の差もない。パンチラに貴賤なしとはこのことである。
中学生と同じものを見て、同じ感動を得ている自分。根底はなにも変わっちゃいない。
大人になるというのは「大人になってもベースは意外と変わらない」ことを知っていく過程なのかなとも思う昨今です(sore-ga-doshita)。
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さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京接写」。デジカメの接写機能を使って、身の回りのものをいろいろ接写してみたレポートです。「これはなんでしょう?」というクイズ形式をとってみましたが、見ればすぐ分かるものばかりなのでちっとも楽しくないことうけあいです。
よろしければご覧ください。
10月25日(金曜) 夜
高校教師をやってる知人と飲みにいってました。
自分の高校時代を振り返ると、運動会をサボッてお寺にいってタバコを吸ったりと、いいのか悪いのかよく分からないことばかりやっていた記憶しかないのだが、現役の教師(でも年下)を眼前にするとつい、「運動会って楽しかったよねー」なんて言ってしまう自分がいて自己嫌悪。
そういやぼくの通っていた高校は修学旅行がなかった。先生が言うには「我が校は自由を尊重しているから君たちを集団行動におしこめたくないんだ」とのことだったのだが、いま思えば、先生たちも生徒を引率して旅行なんていう面倒はごめんだったんだろう。
ちなみにぼくらは、高校卒業前に友達と自主的に修学旅行をしました。みんなで泥酔してゲームセンターに繰り出し、ストリートファイターの筐体を全力でキックして壊してしまい、警察に通報されかかったことなどをしみじみと思い出す。
こうして振り返ると、修学したことはいろいろあったのかなと思います。「ゲーム機を壊すと通報されかける」とか。
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実はちょっと風邪気味なので、今夜はこの辺にて失礼します。
ウイルスをやっつけるため、煙とアルコールでとっちめてやろうと思います。
10月24日(木曜) 夜
職場の同僚Aさんが、社内ボーリング大会のチラシを手描きで作っていた。
それはいいのだが、チラッと見てみたら「ボーリング大会のお知らせ」を「ボーリング大学のお知らせ」と書き違えていたので思わず失笑してしまった。なんだよボーリング大学って。ボーリング大学大学院博士課程投球学専攻なんてのがあるのか。
…と一人でニヤニヤしていたら、通りがかった別の同僚Bさんが誤字に気づいてAさんに指摘してしまった。ちぇっつ、まったく余計なことするなよ。このチラシが社内の各所に貼られたら楽しかったのに。
Bさんはきっと、2ちゃんねるなんかとは無縁ないい人なんだろうナァ。心の中で「マターリウォッチ…」とかつぶやいてたりもしないんだろうなァ。心の中に「ボー大ウォッチスレ」とか立てたりもしてないんだろうナァ。
ところで東京ボーリング大学というのがあれば、「オレ東大いってんだけど」と略せるのでかっこうがよいですな。単なるボーリング大学なら「ボー大」。
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会社帰りに百貨店に立ち寄ったら、シューリペアの店の前で店員に声をかけられた
「いらっしゃいませー どうですかー!?」
靴修理って呼び込みで客が増える商売なんだろうか。「せっかくだしヒールの補強でもしていくか…」なんて人が世には多いんだろうか。「たまには靴修理もオツなものだな」なんてって。
ぼくはただあいまいな笑みを浮かべて立ち去ってきました。
10月23日(水曜) 夜
勤務先の会社のホームページ作製委員に選ばれたことは以前の日記で書いたかと思う。
ページのレイアウトなどは業者に委託する方針に決まったのだが、その後のマイナー更新についてはぼくが担当することになった。余計な仕事が増えるので本当はいやなのだが、上司に言われたのでしかたない。ああめんどくせえ。
だが、そのためにホームページ作製ソフトを買ってもらえると聞いて急に意欲が出てきた。買い付けはぼくに一任されたので自分の好きなソフトを選ぶことができるうえ、こっそり自宅のパソコンにもインストールできる。おお、これで我が"Otearai Web"もこれでデザイン一新。ものすごく格好良いサイトに生まれ変わること必至じゃあないか!!
というわけで本日、さっそくショップに出向いてソフトを購入してきたのでした。どうせ会社の経費だからと、値の張るマイクロソフト社の最新ソフトを迷わずチョイス。ふふふ、これでプチ日記のレイアウトもすごいことに……。
で、帰宅するなりパソコンを立ち上げ、CD-ROMを入れてみて愕然とした。ネットワークを通じてシリアルナンバーを認証する方式のため、一台のパソコンにしかインストールできないのだ。勇んで最新のソフトを買ったばかりに、不法使用防止についても最新の機能が付いてきたのだった。くそー、こんなことならもっと安いソフトを買えばよかった。
プチ日記はこれからも今までどおり、恐ろしくもっさいレイアウトでの更新となります。いまだに Windows95 に無料でついてたフリーウェア(今は WindowsMe を使っているが、そのままソフトのファイルをコピーして使っている。インストールさえ不要のソフトです)。
…でも冷静に考えると、デザインのもっささをソフトのせいにし続けられるのでよかったのかもしれません。まったくいつもツイてる。
10月22日(火曜) 夜
先日飲みに行ったとき、隣の部屋におじいさん達ばかりのグループがやってきた。
どうやら老人会とか同窓会とかの集まりらしい。なんだか珍しい雰囲気だったので観察していたところ、全員が揃ったところで「開会式」がおこなわれた。リーダー(よぼよぼの老人)がビールのコップを持ち上げて「乾杯!」、みんなも続いて「乾杯!」。
…とその直後、リーダーの隣席のおじいさんが慌てて何かをささやいた。うろたえるリーダー。
「あ、あのー、開会の辞を言い忘れとりました。恥ずかしながら述べさせてもらいます!」
てなわけで、全員がコップを持ち上げた姿勢のまま開会の辞が述べられ始めたのだが、老人だから妙に話が長い。「いままで我々がやってこれたのは〜」だの「共に過ごした○○時代の××は〜」だの延々と続く開会の辞。
おまけにみんな老人だから腕力が弱い。コップをずっと持ち上げて話を聞いているうちに何人かは手がブルブル振るえだし、ビールが波打ってこぼれたりと大変な様相を呈しはじめたのだった。だったらコップを下ろせばいいのにと思うが、老人は生真面目だからしかたがない。
そうやってなんとか開会の辞が終わったあとは、よせばいいのに会員名簿の読み上げである。「○○君欠席、××君逝去、△△君逝去、□□君逝去…」。部屋に流れるなんともいえない湿った雰囲気。
こんな素敵な飲み会と隣り合わせになった幸運を噛みしめながら、ぼくたちはずっとエロビデオの話とかしていたのでした。
10月21日(月曜) 夜
本日の恐い写真。
平安神宮の近くにあるアパートのブロック塀だが、上部に無数のガラス片が突き刺してあるのを見つけてビックリ。
敷地内に入ってくるネコに業を煮やした住人が手作業で「植え」たものと思われる。よく見れば全てのガラスが鋭角になっているうえ、セメントを盛ってから固定しているという念の入れよう。この執念はいったい何なのだろう。ちょっと病的なものさえ感じるオブジェである。
…というわけで、嬉しさのあまり塀によじ登ってパシャパシャと写真を撮っていたわけですが。
たまたま通りがかったオバサンもぼくの撮影光景を見て興味を持ったようだった。その数分後、「キャッ!」という叫び声がした。何事かと思えばこのオバサン、ガラス片に気をとられるあまり足を踏みはずし、川にはまりそうになっておられたのだった。
ガラス細工犯の真の目的はこれなのかもしれない。ちょっと共感できる。
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そういや小学生の頃、おなじ町内にあった暴力団の事務所前にすごい掲示が貼り出された。
「無断侵入する猫は即刻射殺する!」
あれはネコに読んでもらうための掲示だったんだろうか。
でも、断ってから侵入するネコってなんだかかわいいね。にゃー。
射殺。
10月20日(日曜) 夜
中学生のころ、大変だったことの一つに「エロ本をどうやって家に持ち込むか」というのがあった。
たかだか月数千円の小遣いの中から千円近くするエロ本を一冊買うだけでも勇気がいったのだが、そこはエロパワー全開の中学生である。缶ジュースを我慢して給水機の水を飲み、読みたいマンガは立ち読みで済ませ、電車で出かけるところを自転車に乗って〜と、費用捻出のために涙ぐましい生活を送っていた。倹約の第一歩はエロからである。
ただ、そうやって買ったエロ本を自宅に持ち込むのがまた一苦労だった。当時は毎日弁当持ちだったので、ぼくが帰宅すると母がカバンを開けて弁当箱を取り出すことになっていたのだ。そこにいかがわしい雑誌が入っていたら、いくら紙で包んであっても怪しまれてバレてしまう。
そこでぼくは、エロ本をズボンの前面に差し込み、シャツの裾を出してカムフラージュしていたのだった。ようするに防弾チョッキのように腹部に本をはさみ込んで、なにくわぬ顔で玄関を素通りしていたんである。
というわけでエロ本を購入した日は、帰宅する前に近くの団地の裏に立ち寄ってブツを腹部にはさみ込んでいたのだが、これにも欠点があった。ときおり通りすがる団地の住人から好奇の目で見られて、ものすごく恥ずかしかったんである。
「怪しげな雑誌が包まれた紙袋をズボンに差し込んでいる男子中学生」
これがイヤで、ぼくが別の方策を編み出した。カバンを巧妙に細工して二重底に仕立て、そこにエロ本を入れて母親の目をやり過ごしたのだ。まるで麻薬密輸のような世界だが、必要は発明のお母さんである。おかげでミシンの縫い目をほどく作業や、それをバレないように縫い直す技術まで会得してしまった。
エロ本のおかげで身についた裁縫技術。性欲とお裁縫はぼくにとってはセットである。
10月19日(土曜) 夜
京阪電車の中で見かけた手提げかばん。
キルティング地に布製の耳とビーズの目、ヒゲの刺繍。仲よくならんだ子ネコのアップリケがかわいいね。
…というつもりで撮ったわけではもちろんなくて、よく見れば糸がほつけてビーズが垂れ下がっている。『はだしのゲン』に出てくる、目玉を垂らしながら歩いている被爆者にそっくりだなァと思ったんである。反戦を訴えるかばんだろうか。
街を歩いているとピースとかラブとか印刷したTシャツ姿をいまだに見かけるが、これでは反戦の効果などたかが知れているだろう。本当に戦争の根絶を願うなら、「はだしのゲングッズ」を作るのがいいのではなかろうか。
「被爆者がプリントされたシーツで毎晩寝るのは気が進まないよ」とおっしゃる向きもありましょうが、悪夢を見た翌朝は現実世界が平和で素晴らしいものに感じられるので楽しいと思います。
…などと妄想を一挙に膨らませながら何枚も隠し撮りしていたら、周囲の乗客からものすごく怪訝な視線を浴びました。なにを撮ってると思われたのか、ぼく自身もよく分かりません。
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さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京カフェ」。今回はチョット気取って、京都をはじめとして各地のカフェをめぐっていたレポートです。でもコーヒー代が惜しいので、店には一度も入らず、ただひたすら外から眺めてきました。イッツ・マイ・スタイル。
いつも以上にしょぼさ炸裂ですが、よろしければご覧くださると嬉しいです。
10月17日(木曜) 夜
アメリカ軍がICBM(大陸間弾道弾)を撃墜するミサイルの実験に成功したというニュース。
おめでとうございます。
だが、この調子で各国がICBM迎撃ミサイルの実用化に成功したらどうなるんだろう。
交戦後に残るのは、「せっかくの上等なミサイルが減った」という事実と、国家間の「ものすごく大規模な気まずさ」のみ。まァ、膨大な死傷者の山が残るよりは、なにも残らないほうがいいと言えばいいんだけど。
…こういうことを書いて社会風刺と思われるのは癪だが、「ミサイルが減ったらもったいないから戦争はしない」というセコい国家が増えて世界が平和になるといいなと思います。
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北朝鮮に拉致された人たちのインタビューについて意見したかったのだが、書いたらみんなから叩かれそうなのでやめておきます。筋金入りの小心者とはオレのこと。
なので、屁とかこきながら世界平和についてひとりごちてみるサースデイナイト。
10月16日(水曜) 夜
リコピンってなんだか可愛い名前じゃないか。トマトの成分。
ぼくが万一、極悪麻薬マフィアの班長とかになったら、組織名は「リコピン」にする可能性あり。
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近所の洋食喫茶でラーメンセットを食べた。
洋食喫茶にラーメンがあるというのもどうかと思うが、ここのラーメンはスープの濃さを選べるのが嬉しい。ぼくはその日の気分で味の濃さを変えたい性分なので、こういう店はひいきにしてしまうんである。
で、今日の気分は「ネチネチと執拗に粘りつくようなフィーリング」だったので濃味スープを注文したわけですが。
数分後、調理場のほうからバイトと思しき連中のどなり声が聞こえてきた。
「あー、ちょっと! 勝手にラーメン鉢動かすなや!」
「こっちも急いでるんや!」
「あー、どれが濃口か分からへんくなったやんけ!」
「しっかりしてくれやァ…」
「おまえが余計なことするからやろがっ!」
「だからどれが濃口やねん!?」
「だから分からんっちゅうに!!」
「デカい声だすなや! 客に聞こえるやろがっ!」
その後ぼくのところに運ばれてきたラーメンは案の定、あまり濃くありませんでした。気のせいかもしれないけど。
10月15日(火曜) 深夜
オセロと将棋が表裏一体になった旅行用ボードゲーム「トラベルメイト」というのを持っている。
今日たまたま知人K氏とオセロの話題になったので、このトラベルメイトのことを話してみたら、たいそう驚かれたのでこちらのほうが驚いた。K氏いわく「オセロと将棋が裏表なんて、ものすごいことになりそうだよねー!」。
なにかおかしいと思ってくわしく訊いてみたところ事情が判明した。K氏はボードの盤ではなく、コマが表裏一体になっているのを想像していたのだった。
たしかにコマも「リバーシブル」なら経済的ではあるが、こんなコマで将棋を指すのは正直言ってごめんである。白黒の丸い将棋を前にして長考、そして王手! …まるで莫迦ではないか。名人戦の対局がこんなので行われたら緊張感も一挙に吹き飛ぶだろう。
それに「成金」しようとして裏返したらどうなるのかという問題もある。ほうっておけば相手のコマになりそうな勢いである。
でも将棋に負けそうになったら「これってオセロやってたんだよね?」と勝負をワヤにできる利点はあるかもしれない。オセロにしても負けそうなら急遽、囲碁ってことにする。
勝つためには手段を選ばず。勝負の世界の厳しさを実感する。
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昨日の日記で触れた「ロンパールーム」について、読者のかたがたからご指摘をいただきました。
ロンパールームはNHK教育ではなく、日テレの番組だったようです。すみません。
こんなことも知らないぼくは、きっと早く死んだほうがいい人間だと自分でも思います。生まれてスイマセン。
10月14日(月曜) 夜
今日は体育の日ということで、たまには健康的にスポーツでもしようと思い立ち。
ひさしぶりにマウンテンバイクに乗ってサイクリングとしゃれ込んでみました。行くところといっても特に思いつかないので、たまにいく市内の古本屋まで。
そして格安のしなびたエロ本を買って帰ってきました。ぼくがスポーツをするとこうなるという一例。
−−−
先日、大阪・梅田の裏通りで見かけたお店。
1時間2千円程度でカップルに個室を貸す商売のようである。中ではきっと、男女が将棋を指したり、指相撲をしたり、陰茎を膣に入れたりして遊んでいるのだろう。まったく羨ましいかぎりである。
かつてNHK教育で放映されていたチビッコ番組「ロンパールーム」を彷彿とさせるネーミングだが、中でやっていることはいささか異なる。子どもから大人へと成長するにつれて、やることがどんどんシンプルになっていくことがよく分かる。
関係ないけど、「論破ールーム」という番組はどうだろう。チビッコたちがお互いに論破しあう生放送番組で。
10月13日(日曜) 夜
他人の顔色や体調を当てるのが好きなAさんという人が職場にいる。
たとえば「君、今日は調子よさそうだね」だの「元気そうだね」だの、日によっては「ちょっと顔色すぐれないね」だのと指摘するのが大好きなのだ。ぼくも今までに、幾度となくAさんから指摘を受けた。
こう書くとAさんは他人の気持ちがよく分かる人のようだが、その指摘というのがことごとく当てにならないんである。ふつうの体調で出社したときに「今日は顔色悪いよ」と心配されたり、かと思えば風邪ですごくしんどい日に「調子よさそうだね」と言われたり。
今日は調子いいから仕事がんばろうかなーと張り切っているときに「顔色悪いよ」なんて言われたら、せっかくのやる気も吹っ飛んでしまう。逆にしんどいときに「調子よさそうだね」と言われるのも気が滅入るし。
そして最近気がついた。Aさんの言葉は自分自身の体調だけに左右されているようなのだった。「自分の調子がよければ相手もOK」「自分の調子が悪ければ相手もダメ」。こんな指摘をいちいち真に受けていたらたまったものではない。
これに似た部分は誰もが持ってるとは思うけれど、Aさんの場合は一見「相手想い」であるだけにタチが悪い。相手本位と見せかけた自己中心性。
10月12日(土曜) 深夜
昨夜は飲みに行ってたので更新できませんでした。今日はセルフ迎え酒。
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こうしてWeb上で日記を公開し始めて数年になる。
自分なりにいい毒抜きになっているのだが、ホームページを作る前までは、そういう場があまりなくてうっ積しがちだったのを思い出す。なにか言いたいことを思いついても、友達が少ないので言う相手がいないんである。
そういうわけで、たまに飲み会などがあると、ここぞとばかりに自分の話ばかりして嫌われていた。
「ちょっと聞いてくださいよ。この前、○○が××したんですよ!」
「こういうのって淡々としたおもしろさがあるでしょー!」
「日常の出来事を淡々と報告する」ことに対する必死の執着。これではまるで、「オレって控えめなんですよ!」と自己顕示してるのと同じことである。
そういやたまに、ぼくの日記について「淡々とした日常雑記ですね」てな風なコメントをいただくことがあるけれど、本当に淡々としてる人は毎日日記を公開したりしないと思います。
「自己顕示欲がない」風に自己顕示。セコさ満点です。
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さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京かかし」。近所の池で開催された「かかし祭り」に出向き、市民たちの手作りかかしのようすをレポートしてきました。かなりヤバいかかしがたくさんあって、お百姓さんがちょっとうらやましくなりました。
よろしければご覧くださると嬉しいです。
10月10日(木曜) 夜
唇が荒れ症なので、カバンのポケットにいつもリップスティックを忍ばせている。
今朝はたまたま郵便物を出す用事があったので、おなじポケットにスティック糊を入れていた。
で、通勤電車の中でリップを塗ろうと思ったら、寝起きの頭でぼんやりしていたせいか、間違えて糊のほうを塗ってしまった。
「通勤電車でさりげなくスティック糊を唇に塗りつける男」
周囲の乗客から注がれる異様な視線がつらかったです。明日から車両を変えよう。
−−−
パソコンでCD-ROM辞書をよく使う。
ぼくは語彙が貧しいので広辞苑 or 大辞林はほぼいつも立ち上げているし、仕事中は専門の辞書も利用する。本物の辞書は面倒でとても引く気になれないが、パソコンの辞書なら瞬時に検索できるので快適である。
聞くところによると、DVDでは何十冊という百科事典が一枚のROMに収まるうえ、一発で検索できるらしい。振り返れば学生時代、膨大な量の百科事典の中から半泣きになりながら資料を探したりしたものだが、あの苦労はいったいなんだったのかと思う。
そういや、テレビなんかで取材を受ける大学教授は決まって、事典やら全集やらの分厚い本がズラッと並んだ本棚を背にして登場する。が、こんなのもDVDなら数枚のROMに収まってしまうわけである。近い将来、紙媒体の百科事典なんてそろえてる教授は「非能率的でもっさい」ってことになってるかもしれない。
「数枚のROMが転がっているだけの研究室でインタビューを受ける大学教授」
これではいまひとつ威厳が出ないから数百枚程度のROMは並べたいところである。こんな膨大な情報を一生の間に読めるわけがなく、単なるインテリアなのがバレバレなのが難点だけど。
でもずらっと並んでる本だって似たようなものだろうから、別にかまわないと思う。威厳を出すためには「量」が大切である。
10月9日(水曜) 夜
ヒマだと頭の中がいそがしくなる。余計なことばかり考えるからである。
生活が忙しいと頭の中はヒマになるんだけど、こういうのは全然嬉しくない。
結局ぼくはいつも多忙だ。たいていは頭の中が。
−−−
最近、アパートの隣室(同じ五階)に住んでいる女性から異様に警戒されているような気がする。
…なんて書くとちょっと電波さんっぽいが、これにはちゃんと根拠がある。
たとえば帰宅時間が偶然同じになったことが何度かある。それが一階の出入口に入る前なら、向こうは絶対に一緒に階段を昇らない。郵便受けあたりで時間をつぶして「やり過ごされる」のだ。
たまたま廊下で向こうが数歩先をいくことになったときは、あからさまに引き返すと怪しまれると思ったのだろう。そのままものすごい勢いで階段を駆け上がり、瞬く間に「まかれ」てしまった。
逆にこちらが数歩先をいくことになったときは、ゆーっくり階段を昇って距離を大きくしたうえで、ぼくが入室したのを見計らってから足音をひそめて自室に入る。こうして隣室に住んでいることを「カムフラージュ」されているのだ。
「やり過ごされ」て「まかれ」て「カムフラージュ」。これで警戒されてないと思うほうがおかしいだろう。
一人暮らしの女性が警戒心旺盛になるのはやむを得ないのかもしれないが、それにしてもあまりいい気分ではない。ベランダからパンティーを失敬したこともないし、レイプすらしたことがない。ホントに何もしていないんである。
…いや、なにもしていないという消極性がいけないのかもしれない。なにごとも受身ではいけないと言われるとおり。今後はもっと、自分の安全性を積極的にアピールしていこうと思う。
努力は必ずむくわれる。中学の担任がよく口にしていた言葉である。
10月8日(火曜) 夜
国鉄にはじめて特急列車が走ったとき、運賃が普通列車よりも高いことに疑問の声があがったらしい。
ラブホテルに例えるなら、各駅停車がお泊りなのに対して、新幹線などはショートタイムが関の山である。のぞみにいたっては格安にしてもらわないと割が合わないだろう。
連休中の高速道路の混雑具合なんかに激怒している人をたまに見かけるが、これも考えてみればおかしな話だ。高い料金を払っているからこそ、一般道の何倍もの時間をかけて道路をエンジョイすればいいんである。
ぼくもよく「仕事の納期が遅い」と先方から注意されるが、それだけじっくり人件費をかけてるんだからむしろ喜んでほしいよまったく。
10月7日(月曜) 夜
通勤電車に乗っていたら、ものすごく汚いネクタイを締めた男子高校生を見かけた。
薄い黄色のネクタイなのだが、全面に茶色いシミが飛び散っているうえに、下のほうは擦り切れて糸がほつけているありさま。制服用だから一本しか持ってないのかもしれないが、それにしてもまるでホームレスである。
そもそもネクタイって、礼儀作法のひとつとしての装身具だろう。なのにシミだらけの布切れ。礼儀なのか失礼なのか全然分かりません(まァ校則だから仕方ないんだろうけれど)。
というわけで呆れていたのだが、考えてみたらぼくも同じようなことをやっている。
いや、大切なのはモノではなく「気持ち」なのだ。
…ランチョンマットを洗う手間すら惜しんでる人間のどこに「気持ち」があるのか自分でも分かりませんが。
10月6日(日曜) 夜
ぼくの部屋には独特のにおいがあるらしい。ウチに来た友人から指摘された。
こういうとき、咄嗟に「イカのにおいだろうか!?」と動揺してしまう自分も高校生っぽくて情けないが、幸いそうではなく、風呂場のようなにおいとのこと。ううむ風呂場か。
我が家の風呂場はそんなに独特のにおいなのか。またもや新たなコンプレックスの予感。
−−−
自殺に関する本をパラパラ読んでたら、いろんな薬物の「死ねる量」(経口致死量)が書いてあった。
タバコやキンカンはいいとしても、睡眠薬150万錠というのはどうなんだろう。
もちろんこれを「一気飲み」しないと死ねないわけだが、150万錠もいっぺんに飲んだらその前に窒息死しそうである。というか、即効性の睡眠薬だけに、数十錠飲んだ時点でコロッと寝てしまうんではないだろうか。
「死のうと思ったら、よく寝てから目覚めた」
なんだか健康的じゃないか。そしてユーモラス自殺未遂。
10月5日(土曜) 夕方
昨夜は飲んでたらそのまま寝てしまいました。風邪が長びいております。
−−−
喉をやられてるので声がちゃんとでない。昨日の朝がいちばんひどかった。
ただ現在、一人暮らししてるので、家では声を出す機会がない。で、はじめて喋ったのが出張先での挨拶だったのだが、声がおかしくなっていることなど全く自覚していないぼくは、精一杯でかい声で挨拶してしまった。
「ォハヨヒョーオゴザイマヒュゥ〜!!」
しゃがれ声が完全に裏返って、まるで目玉おやじのような間抜けな声になってしまったのだった。初めて顔を会わす顧客たちから一斉に注がれる怪訝な視線。うわー、これではまるでヤバい人じゃないか。
でも、マズい第一印象を植えつけたおかげで、まかされる仕事も減ることだろう。これは素直に嬉しい。
災い転じて福となす。…いや違うか。
−−−
さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京まず」。我が家にあった食材を使って、どれだけまずいものを作れるかに挑戦してみたレポートです。あまりのまずさに、試食した日は夕食がのどを通りませんでした。
よろしければご覧くださると嬉しいです。
あと、この連載もおかげさまで100回目を迎えました。読んでくださってる皆様、どうもありがとうございます。
10月3日(木曜) 夜
ここ数日、咳がひどいせいでロクにタバコを吸っていない。3日間で一本だけ。
…てなことを知人に愚痴ると、決まって「そのままタバコやめれば?」と言われる。キーッ。こちとらそんな言葉がほしいんじゃねえんだよ。「うわー大変だねえ!」って言ってほしいんだよべらぼうめ。畜生!
禁煙なんて絶対しないぞと改めて決意。自分のためじゃなくて相手のためだ。
−−−
会社帰りの道すがら駅から自宅に向かっていたら、突然ものすごい便意が来訪した。
残る距離は200メートル。「走りたいけれど走ると漏れる」という切羽つまった状態のまま、何度も「もうこれまでか…」と観念しながらも、なんとか自宅までたどりついた。
で、たすきがけしたショルダーバッグもそのままにトイレに駆け込み、間一髪助かったわけですが。
虚脱するような開放感とともに用を足した後、紙でおしりを拭く段になって非常に難儀した。拭こうとすると肩からかけているショルダーバッグがついてきて、拭きにくくてしかたがないんである。何度試みてもバッグがついてついてきて思うように拭けず、トイレの中で一人パニックに。
しばらくして気がついた。バッグをおろせばいいのだ。
うんこを漏らしそうになった動揺のせいで、冷静な判断能力がすっかり失われていたのだった。ぼくが戦闘機パイロットだったら、自分のうんこのせいで敵弾を浴びて命を落としてたかもしれない。おそるべきはうんこである。
それにしても、「ショルダーバッグをかけたまま自宅のトイレに入ってパニックに陥っていた自分」が不憫でなりません。
10月2日(水曜) 夜
風邪がすっきりせず咳がとまらない。おまけに声がかすれてヒュルヒュル言うので恥ずかしい。
今日も仕事のことで同僚と口論していたのだが、なにしろこっちは発言がすべてヒュルヒュル言ってしまうのだ。
相手:「おまえが立てた今回のプランだけどさァ、こんなやりかたじゃダメだと思うぜ」
ぼく:「どこがダメなんだよヒュルヒュル!」
相手:「理由とか言っても、おまえ頑固だからどうせ変えないんだろ」
ぼく:「そんなことないヒュル! 意見があるんなら言えよヒュルヒュル!!」
これではちっとも迫力がでない。対等な議論にならないのは自明である。
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先日(9月30日)の日記について、読者のかたからご指摘メールをいただきました。
こんにちは。いつも楽しく拝見しています。
今日はふと思い立って、30日の日記を「M君の立場」で書いたらどうなるかを考えてみました。
高1のとき、オナニー童貞だった僕は、思い切って知人N倉君に尋ねてみた。
「オナニーってよく聞くんやけど、どうやってやるのか知ってる?」
するとN倉くんは、真顔でを教えてくれた。
「まず枕を股間にはさんで腹ばいになる。で、そのまま激しく体を前後に動かすのや」
怪しく思った僕は、その後別の知人から本当のことを教わった。
N倉くんにも「正しい方法」を教えてあげようかとも思ったが、きっと彼なりにこの方法で「いい結果」を見いだしたんだろうと思い、やめておいた。N倉君はいまでも、枕を股間にはさんでオナニーしてるんだろうか。
…こんなロマンティックなことをつい考えてしまう秋の夜長。
M君がホームページを開設しているなら、ぼくのことがこうしてネタにされているかもしれない。こりゃ一本とられました。
10月1日(火曜) 夜
長袖トレーナーなど冬物の衣類の洗濯におおわらわ。
クローゼットに入りきらないので押入れに詰め込んであったものなのだが、いざ出してみると洗濯してあるかどうか全然分からないのだ。このしわくちゃ具合から察するに、去年の冬、洗うのをサボってそのまま放置してある可能性も高い。いや、きっとそうだ。
自分に対する信用度は限りなくゼロに近いです。いままでの人生で会得したことのひとつ。
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そういや学生時代、フリースのジャケットのジッパーが壊れたことがあった。
酔っ払って男友達とハードにじゃれ合っていたら壊れたんである。まったくの自業自得なのだが、買った店(登山用品店)に黙って持参したところ、まことに良心的な答えが返ってきた。
「申し訳ありません。すぐ修理に出しますので、返ってくるまでのあいだ、こちらをお使いください」
そう言って、まったく同じ商品の新品を渡してくれたのだった。持参したジャケットは薄汚れてモケモケになっているのに、酔って壊したばかりに新品をゲット。まるで「金の斧と銀の斧」のような話である(ちっとも正直者じゃないんだけど)。
数週間後、修理が終わったとの連絡が店から届いたのだが、ぼくは無視し続けた。このままいけば新品が自分のものになると思ったのだ。…が、その後も再三にわたって催促の電話がかかってきた。「今のやつでいいです」と申し出ても「そういうわけにはいかないので」の一点張り。
ついに根負けしてモケモケの我がジャケットを引き取りにいった。うまい話はそうそう転がっていない。
ところであの店は、ぼくがしばらく着たジャケットをなぜあんなに熱心に回収しようとしたのだろう。未だにちょっと謎である。