2003年3月のプチ日記

3月31日(月曜) 夜

 風邪をこじらせて死にかけております。滝のような鼻水に嵐のような咳、そして太平洋のような痰。

 こういうとき風呂に入るべきか否かいつも迷う。そこで気になって書籍やネットで調べてみたところ、これまた諸説紛々で、どうすればいいのか余計に分からなくなってしまった。

 とくに最後のはなんだ。ヒトゲノムの遺伝メカニズムに関して、とかだったら「専門家の間でも意見が分かれている」のもまァ仕方ないと思うが、風邪を引いたときに風呂に入っていいかも決着がついていないのか。ひょっとしてこれが分かればノーベル賞ものってことになってるのか。

 …というわけでとりあえず体温を測ってみたところ、たったの7度2分でした。測るんじゃなかった。

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 では、太陽のような高熱があるので今日はこのへんにて。 うー、しんどい。

 あ、そうだ。卵酒を飲もう。一緒にまぜると不味いので、玉子焼きを肴に飲むことにします。

 

3月30日(日曜) 夜

 昨日は飲みに行ってたので更新できませんでした。

 がんこ寿司で飲んでたら、メニューに「びっくりコロッケ」というのがあった。写真で見たところなんの変哲もないコロッケだが、いったい何がどう「びっくり」なんだろうか。

  

 そこで注文して品がくるまで、いろいろ想像をたくましくしておったわけです。

 だが、運ばれてきたコロッケはそのいずれでもなく、ただサイズが大きいだけのコロッケだった(手のひらより一回り大きいくらい)。なんだよ、こんなのアリかよ。こっちは奇抜な味を期待して注文したのに、味はただのポテトコロッケ。こんなものをたくさん食べるなんて真っ平である。

 それとも、びっくりコロッケが何の変哲もないから逆にびっくりということなのか。

 客にあらぬ期待を抱かせないためにも、タバコと一緒に写すとかしたほうがいいと思いますよ、がんこ寿司のダンナ。ついでに申し上げるなら、びっくりコロッケなんてメニュー作ってる時点で全然「がんこ寿司」じゃない。

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 ちなみに今週は、諸事情により某企業の連載コラムはお休みです。

 また来週からよろしくお願いします。

 

3月28日(金曜) 深夜

 昨日、職場で雑談していたらなぜか超能力の話題になった。

 そのうち同僚の一人が言い出した。

 「そういや針金を2本持って金鉱のありかなんかを探すのありましたよね」

 あー、あったあった。金鉱の上に来ると無意識パワーか何かが働いて、2本の針金が動くとかいうやつ。たしか江戸埋蔵金探しのときも使われたっけか(結局あれはどうなったんだろう)。

 ただ、「針金を2本持つやつ」がなんという呼び名だったのか、全員がどうしても思い出せなかった。

「たしかチャネリングとか、そういう感じの言葉でしたよね」
「そうそう。○○〜ングていう語感だった!」
「カーリング…だっけ」
「ちがうちがう、それはオリンピック競技でしょ」
「えーと、クロージングじゃなくて」
「あ、それ近いかも!」
「あー、このへんまで出てきかかってるんだけどなァ」
「なんとかイングだよね。えーと、アーイング、イーイング、ウーイング、エーイング…」
「五十音順に順番に試そうってか」
「…ワーイング、ヲーイング。…やっぱダメでした」
「うわー、気になるなァー!」

 そうこうするうち定時になり、みんな後味の悪さだけを残しつつ帰宅したのでした。帰りの電車内でも考えるのは「針金を2本持つやつ」のことばかり。くーっ!! こういうのって思い出せないとホント気持ち悪いんだよなー。

 そして本日。昨日のことなどケロッと忘れて出社したら、廊下でいきなり上司から声をかけられた。

「名倉くん、ダウジングだよダウジングッ!!」 

 あー、そうだそうだ! ダウジングですよ。おおー、素晴らしい!

「おお課長、ダウジングですね! やりましたね!」
「ああ、嬉しいよオレは。ダウジングなんだよ!」
「そう、ダウジング! ダウジングですよ!」
「ああ、ダウジングなんだ! そう、ダウジング!」

嬉しさのあまり我を忘れ、朝っぱらから廊下で手を取り合って大騒ぎしていたわけですが。

ふと周りをうかがうと、他部署の人たちが怯えるような表情でぼくらを見てました。

 

3月27日(木曜) 夜

 急に暖かくなりましたねえ。

 と、周りのみんなが言ってた一日でした。4月下旬並みの気温だったそうで。

 確かに暖かいような気はするけど、まだセーター着てないと寒い。4月下旬になってもこんなものなのか、と一人で暗い気持ちになってました。人生はなんてつらいんだろう。

 風邪気味で体調がすぐれないせいか、何を聞いてもネガティブ思考。

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 先日、久しぶりにトランプをする機会があった。

 それで思い出したのだが、小学生の頃、「ダウト」というゲームをよくやったものだった。

 カードを全員に配り、裏側にしたまま順番に1、2、3、4と場に出していくだけというシンプルなゲームである。該当のカードが手持ちになくても、シラを切って出さなくてはならない(たとえば自分が「4」を出す順番なら、持ってなくても「4」と言って場に出す)。そのウソを誰かに見破られたら場にたまったカードを全部引き取るというルールで、手持ちのカードを早くゼロにした人が勝ちなのだった。

 いかに堂々とウソをつくかがこのゲームのポイントなのだが、中にはこんなヤツがいた。

 「じゃあ次10からな」
 「11」
 「12」
 「13」
 「14!」

 いくら自信に満ちたポーカーフェイスでも、「14」はダメだと思います。

 

3月26日(水曜) 深夜

 価値観が逆転する出来事というものが世の中にはある。

 たとえばウチの実家にで以前まで、「トイレで小用を足したときは水を流すな」という規則があった。尿は液体で雑菌もいないから、流すと莫大な水道代が無駄になるというわけである。いつの頃からか母が言い始めた。

 なので我が家のトイレはいつも黄色い液体で満たされていた。これでいいんだと、一家全員が信じて疑わなかった。

 だがあるとき、母が突然声をあげたのだった。「小用のあともちゃんと流してよ!」。

 なにをヤケクソになってるのかと理由を訊ねてみたところ、即答が返ってきた。足したあと流さないと便器が黄ばみ、それを取るための労力と漂白剤とを考えると莫大な損失だというのだ。

 価値観の逆転。我が家ではそれは尿が原因だった。他の家に生まれたかった、とつくづく思うエピソードであります。

 

3月25日(火曜) 夜

 うちの郵便受けに入っていたデリヘルのチラシ。

 69は分かるけれど、96というのはなんなのでしょうか。

 それとも今の世の中、96プレイは基本ってことになってるのか。

 ここまで期待を持たせて、実は「男が上になるだけ」とかだったらスネるぞこらっ!!

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 ついでに、久しぶりにエロサイトの投稿コーナーを見てみた(なにがどう「ついで」なのか分かりませんが)。

 その中に「シティ・スナイパー」というペンネームで写真を投稿してる人がいた。なにかと思えば、街中で延々とパンチラ写真を盗み撮りしているという連作モノでした。やってることセコすぎ。

 でもペンネームはスナイパー。そんないいもんじゃないだろ。狙ってるのはパンツだし。そして迷惑条例で検挙されるスナイパー。

 世の中は特殊部隊とかゲリラ狙撃とかいってるけれど、世の中にはいろんなスナイパーがいます。

 

3月24日(月曜) 夜

 テレビをつけても戦争のニュースばかり。

 アメリカも結構苦戦しているようだけど、こんなときランボーみたいな人がいたら便利なんだろうなと思う(詩人のランボーじゃないのであしからず。こんなのがいたってちっとも便利じゃありません)。なにしろ、たった一人で敵をせん滅できるのだから。

 おまけにランボーはいつだってランニングシャツ一枚だ。戦闘が始まるやいなや、それまで着ていた軍服をたくましく脱ぎ捨てて走り出すのだ。私たち凡人はここで「軍服は戦闘のためにあるんじゃないか」とか「腕とかむき出しだと怪我するよアンタ」とか助言したくなるが、そういう野暮を言うとランボーに嫌われるのでやめたほうがいいだろう。

 どうせならズボンも脱ぎ捨ててブリーフ一丁(orフルチン)になればいいようにも思うが、アクション映画にモザイクが入りまくるのはかなり妙なのでやむを得ないかもしれない。ランボーも自慢の愚息に迷彩ペイントできなくて、内心残念だったろうと思う。

 …つい話が逸れたが、ランニングシャツである(逸れた話はここまでしか戻りませんのであしからず)。米兵の皆さんも今こそ、ジャケットを脱ぎ捨ててはどうだろうか。自己暗示との言葉もある通り、まずはスタイルからランボーを真似ることによって、その潜在能力を最大限に発揮できるのではないだろうか。

 イラク兵ゲリラの中に突入していくランニングシャツ姿の米兵たち。なぜか弾もギリギリで当たらない。

 そして指揮官の悲痛な叫び声がこだまし続ける。「ジャケットを着るんだーっ!!」。

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 テレビを見てても退屈なので、ついこんな妄想にふけっておりました。よく分からない日記で恐縮です。

 要するにぼくが言いたかったのは、「戦争反対!」ってことでした。はい。三度の飯よりも反戦が好きなので許してください。

 

3月23日(日曜) 夜

 飲み会続きのため更新が不定期になってしまい申し訳ないです。

 飲み会のあと行ったゲームセンターで「魔斬」という筐体ゲームをやってみた。刀を模した棒を動かすとセンサーが感知して、画面上の刀が連動する仕組みになっている。実際に自分が剣を振っているみたいで結構楽しい。

 で、ゲームが終わるとランキング入力画面に切り替わり、刀を筆のように動かしてサインを書くことになるのだが、これが異様に難しいんである。細かいコントロールが利かないうえ、一筆書きなので全然思うようにならない。

 これだけはゲーム熟練者も同じようで、ハイスコア画面はこんなことになってました。

 名だたる「剣鬼」や「剣豪」たちのサインがこれなのかと思うと、ものすごく情けない気分になってきますな。こんな剣豪はこの先なにをやってもダメだ。

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 さて昨日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京フリマ」。某所にあるボックスフリーマーケットに足を運んできたレポートです。売り手の顔が見えない分、どんな人がこのボックスを出品してるんだろうと想像する楽しみがありました。

 よろしければご覧いただけると嬉しいです。

 

3月21日(金曜) 深夜

 京都市内を歩いていたら、ホームレスのおじさんが一人でヒゲダンスを踊っておられるのを見かけた。

 春の到来を肌で感じます。

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 最近、USJに行ってきてみやげを買ってくる同僚が多い。

 たいていはクッキーなのだが、ぼくは甘いものを食べる習慣がないのであまり嬉しくない。エンターテイメントを標榜するUSJなら、もっと幅広い商品を揃え、みんなに受け入れられるよう努力すべきだろう。

 ちなみにぼくは和食が好きなので、次のようなみやげを揃えるよう猛省をうながしたい。

 みやげとは関係ないけど、ついでにコインランドリーや介護用品売り場も設ければ便利になると思います。USJ。

 

3月19日(水曜) 夜

 一日中ずっと気になっていることがあった。

 エスニックっぽい炒飯みたいな料理があったことをふと思い出したんである。タコライスみたな感じで、ちょっとピリピリしてて、名前はえーとなんだったか。「シナゴレン」だったような気がするが、「ナシゴレン」だったかもしれない。いやちがう、やっぱり「ナゴシレン」だった気がする。いや、ちがうちがう! うーん。

 …と仕事中もずっと考え詰めて気が狂いそうになってました。こういうときこそ検索エンジンで引けばすぐ分かるのだが、職場では私用のネット接続が禁止されているので検索できない。きーっ。

 仕方なく「論理的」かつ「合理的」に正答を考え続けていたわけです。

  1. 「シナゴレン」:支那のゴレンというのは辻褄が合いすぎて怪しい。中国料理じゃなかった気がする。
  2. 「ナシゴレン」:梨五連を連想する妙に日本語っぽい響きが胡散臭い。これは形而上的に違う。
  3. 「ナゴシレン」:弁証法と消去法に基づいて推論すると、これがおそらく正答かもしれないっぽいという結論に達する!

 普段あまり使わない頭をフル回転させたらクタクタになってしまったが、おかげであっという間に定時が来訪。そのまま小走りで帰宅し、服も着替えずパソコンを立ち上げ、猛烈な勢いで検索した結果、

 どうやら正解は「ナシゴレン」だったようである。ただ、「シナゴレン」よりも「ナゴシレン」のほうがヒット件数が多かった事実は、ぼくの推測が100%間違っていたわけでないことを示す何よりの証左だろう。

 というか、世の中には「考えてもなんにもならないこと」があることを改めて実感させられました。

 

3月18日(火曜) 夜

 期限の切羽詰ったレポートがあるのでパソコンを起動したら、案の定ずっと遊んでしまった。どうするよ。

 …というわけで今日は、「検索エンジンにいろんな知人の名前を入れて調べてみる」という古典的なことを延々とやっておりました。昔の友人の氏名で検索してみたら妙なミニコミを作ってることが分かったり、現在ベトナム料理にハマッっているなんていうどうでもいい情報が分かったりして結構楽しいんである。

 ところでぼくは、ガキのころ某進学塾に通っていた。そこで当時のクラスで成績良かった連中を検索してみたら、医者になってる奴や美術書を執筆してる奴が続出して驚いた。やっぱり頭のいい連中はネットでも賢げなのか。

 今の自分と比べるとちょっとへこむが、ぼくだってこうしてホームページをやっている。検索のヒット数やランクに関しては真っ向から勝負できるんじゃないか。

 「名倉」で検索しても全然ダメだったが(ネプチューン名倉ばかり)、「名倉 莫迦」「名倉 うんこ」の入力では検索エンジンの第1ページに引っかかりましたやったー。これで「○○大学医学部卒」とか「××美術全集著者」とかいった連中と対等である。

 医学部や美術全集と張り合う「莫迦」「うんこ」。これって張り合ってるんでしょうか?

 なんか違う気がするが、きっと気のせいだと自分に言い聞かせつつ今日はこのへんで。

 

3月17日(月曜) 夜

 公衆トイレで小用を足すとき、ついつい隣人の「愚息」を見てしまう。

 そしてたいてい猛烈な怒りにかられるのだ。今日という今日はハッキリ言おう。

 「おいテメェら! トイレに入る前にエロいこと想像して半勃ちにしたのを、あたかも平常サイズのように振舞うのはよせ!」

 オレ様にはバレバレなんだよみんな! つまらんところで見栄をはるのはやめやがれ!  男なら堂々と小さいままの愚息をさらしやがれ畜生! 誰もテメェの愚息なんざ見てねェんだよ!(オレは見てるけど!)

 ぼくが観察する限りでは、10人中8〜9人は半勃ちにしていると推察される。トイレに行くたびに、わざわざエロいこと考えて半勃ちにしてるとは、いよいよ世も末である。このままでは日本経済の将来も真っ暗だろう。

 なお、「みんな平常サイズのまま用を足している」という可能性は除外します。ぼくの心が真っ暗になるくらいなら、日本経済が真っ暗なほうを選ぶ。ああ、みんな半勃ちにしてりゃあいいんだよ! うん、いいんだよ。ぼくは怒ってないよ…。

 教訓:なにごともポジティブシンキングが大切。

追伸: 横から見ると、真上から見るより多少大きく見えるそうです。「多少」っていうのは3倍程度と思ってよろしいでしょうか。

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 某企業コラム、本日の午前にようやくアップされたようです。

 テーマは「いまどきの京ヒョウ」。いろんなヒョウ柄グッズを集めてみました。

 よければご覧くださると嬉しいです。

 

3月16日(日曜) 深夜

 家に引きこもっていた休日でした。

 まだまだ寒いので、ずっと布団にくるまって過ごしているのだが、たまに電気ストーブをつけると暖かくてとても気持ちいい。気がつけば30分ほど、ただボーッとストーブの前で手をかざしていたり。暖房だけが一日の楽しみだぜ、まったく!

 そういやぼくの母も、ストーブの前に座ってひたすら暖をとっていることが多かったのを思い出す。我が家では代々、暖房は冬の貴重な娯楽だったのだ。

 「名倉家には代々、『暖を楽しむ』という風習が受け継がれ続けているのだった」

 楽しみの多い人生であります。太く短く生きております。

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 そして昨日、近所の駄菓子屋で見つけたお面。

 「のらくろ」のお面はいいとしても、「たまごっち」のお面って。

 着ぐるみのようなものと捉えればいいのかとも思うけれど、これをかぶって一体どう演技すればいいんでしょうか。「オイラはたまごっちだよ〜ん!」とか口走りながら練り歩けばいいんでしょうか。

 …たまごっちお面を相手に説教垂れて、優越感に浸って自己確認。こういう人生もあるということです。

 

3月15日(土曜) 深夜

 昨夜は飲みに行ってたので更新できず。

 久しぶりに「古今東西」をしたりして懐かしかったのだが(学生時代以来である)、そのうちなぜか「古今東西、トキオのメンバー」ってことになってした。ちなみにぼくら一同は全員、浮世離れして芸能に疎い。

 「じゃあ城島」
 「あのほら太い人。国分?」
 「じゃあ西村」
 「斉藤」
 「西島!」

 誰もちゃんとメンバーを知らないので誤りを指摘できないのだ。結局、20人くらいメンバー名が挙がってしまい、収拾がつかなくなってしまったのでした。

 俺たちのトキオは20余名。

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 先日、祖母(79歳)が整形外科を受診したら受付嬢に訊かれたらしい。

 「アレルギーの既往歴は?」
 「いえ、ないです」
 「現在妊娠してませんか?」
 「…大丈夫です」

 マニュアルを守るというのは意外と前衛なのかもしれません。

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 さて本日、某企業の連載コラムが更新されているはずなんですが、現時点ではまだ見れません。先週に続き今週もですか。

 原稿は送ったので、なにがどうなってるのか分かりませんが、明日か明後日にはアップされると思いますのでよろしくお願いします。

 

3月13日(木曜) 夜

 一人暮らしを始めて一年半ほどになる。

 この一年半で二度、NHKの集金がやってきた。インタホンを取ったら「NHKですが〜」となるわけである(一応オートロックが付いてるので)。

 当然ながらこんなものは払いたくない。なのでそのつど、苦しい言い訳で切り抜けてきた。「今ちょっと、ものすごく取り込んでるので、とても出られる状況じゃないんです!」。

 一度目はすんなり引き下がってくれたが、二度目はしつこく食い下がられた。「じゃあ待ってますから」「いや、今日はもう無理っぽいです」「どうしてですか?」「いや、ちょっと言えないような事情でして(確かに言えるような事情ではない)」「では後日、また伺いますので」「は、はい…」。

 以来、インタホンが鳴るたびに全身の神経が張りつめ、鼓動は亢進し、呼吸は荒くなり、瞳孔まで開いてしまうという激しいことになってしまった(医学用語で言う「闘争か逃走か反応」である)。交感神経はフル回転するわ、アドレナリンは猛烈な勢いで分泌されるわで、一人で勝手に消耗戦へと至ってしまうんである。一説によればこれによって寿命も縮まっているらしい。うぐー。

 だったら金を払えよと言われそうだが、そうしないのがぼくのいいところである。結果、いつも居留守を使うことになり、たまたま訪ねてきた友人が帰って行ったり、宅配便の届け物をフイにしたりしているありさま。

 これでは完全に実生活上の支障をきたしているわけで。

 なにかいい方法はないんだろうか。オートロックに監視モニターが付いてて来客の姿を視認できるような、高級アパートに引っ越せばいいんだろうか。いい部屋に住みたいとはあまり思わないが、NHK受信料をパスするためにはやむを得ない。

 がんばって貯金しなくてはと思う。そのためには受信料などますます払えない。

 

3月12日(水曜) 夜

 本日、職場の廊下にて。

 誰もいないと思ってブーとおならを出した直後、曲がり角から同僚が現れたのでした。わっつ!

 動揺のあまり、挨拶もせずそのままうつむいて通りすがってしまった。やばい。これではますます怪しいではないか。

 ああ、今ごろきっと噂されてるんだろうなァ。「名倉さん、廊下で屁こいてたよ」「うわーヤベー!」「尋常じゃないよね」「屁こきブンブンだよね」「あだ名、屁こきブンブンにしようか」なんてって。

 このままでは社員生命に関わるので、明日にでも、廊下の同僚に言い訳しにいこうかと思う。「あれはね、おならじゃなくて、靴が床にすれた音だったんですよ」。

 というか、いまだに小学生レベルの自意識にさいなまれる自分が不憫でなりません。

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 いままで一年間毎週通っていた研修会の最終日でした。嬉しい。もうすぐ年度終わりですな。

 てなわけで最後に一人ずつ、今年一年間の感想を述べていくことになったわけですが。その中のある女性が突然、声をあげて泣き出したのでビックリした。

 「みなさんこれで最後なんですね…。ウウッ、ウウッ…。私、なんで泣いちゃうんだろ…。ウウッ」

 ちょっと待ておまえ。みんなまじめに毎週来てたのに、半分以上サボってただろおまえ。なのに最後だけ出席して、一人だけ泣くとは何様のつもりだ。雰囲気に流されやすいにも限度ってのがあるんじゃないか。

 そう思うと突然おかしくなってきて、笑いをこらえるのに難儀しました。思わず口元をおおったりして。

 傍目にはもらい泣きしてたように見えたかもしれないけど、今日で最後だからどうだっていいや。

 

3月11日(火曜) 深夜

 いくら寝てもずっと眠い。

 一日の眠さって、朝起きる前にどれだけまとめた睡眠をとってるかに左右されてるように思う。たとえば同じ7時間寝るにしても、まとめて7時間寝たらそれなりに眠った気がするけれど、夕方に2時間仮眠した後、夜に5時間寝た翌朝なんかはものすごく眠い。

 間食ばかりしてると、つい食べ過ぎてしまうのと似ているかもしれない。

 これからは細切れの睡眠を繰り返すことにしよう。そうすれば起きている時間(=つまらない時間)が減るから嬉しい。

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 何気なくNHKの特集番組(クローズアップ現代だったか)を見ていた。

 企業再建に向けて奮起する技術系社員の話である。多額の負債を抱えた会社が立ち直っていくプロセスが描かれ、現場でそれを支え続けた社員へのインタビューが放映されたわけですが。

 再建への抱負を熱く語る社員の顔が大写しになったとき、太くて長い鼻毛がピローンと2本、くっきりと映し出されていた。

 きっと彼は、家族や友人に触れ回っていたことだろう。「オレ、3月10日のNHK番組に収録されたんだぜ。見てくれな!」と。でも見てみたら、ロングな鼻毛がピローンと2本。放映中に友人からかかってくる電話はことごとく「おまえ鼻毛出てるぜ」。

 企業再建に挺身してる人は鼻毛を切る余裕もないということでしょうか。「その鼻毛は彼の邁進を物語る象徴であった」。

 ぼくも企業再建に関わりたくなってきました。まわりから「そろそろ鼻毛切れよ」とか言われなくてすみそうだし。

 

3月10日(月曜) 深夜

 おととい寝すぎたせいで昨夜は寝不足。おかげで今、猛烈に眠いです。

 休日に休みすぎると週明けにそのツケがくるから難儀である。

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 全然関係ないが、小学生の頃、遠足の日を勘違いして集合場所に行ったことがある。

 弁当におやつ、水筒をぶらさげて「○○駅の改札口に朝8時」。慎重派のぼくは所定の10分前に着いたのだが、まだ誰一人来ていなかった(当たり前である)。で、みんな悠長だなァと思いながらずっと待っていたのだが、時間を過ぎてもまだ来ない。20分過ぎてもまだ来ない。

 「うーん、みんな遅すぎ! 先生まで遅刻とはひどいよまったく!」

 けっきょく1時間くらい待ったところでようやくオカシイと思い、家に帰ったのでありました。親が学校に問い合わせてみたら、今日は平常授業との返答。弁当とおやつを前にして、母さんババ怒り。「一時間も一人で待ってるってアンタ! なんぼ悠長やのっ!」

 昔から妙な忍耐力はあったのかもしれません。ぼくの我慢強さは昔から全然生産的じゃない。

 

3月9日(日曜) 深夜

 二日酔いでくたばってました。13時間睡眠。

 布団の中でバラード曲について漫然と考えていた。"I love you"なんてって切なく歌い上げてはいるが、どれも妙に自己陶酔的で気色わるい。ここはひとつ、率直な気持ちを歌にぶつけてみてはどうか。

 「何度も何度も"I love me..."と切なく歌い上げるバラード」

 こういうバラードなら一度くらい聴いてもいいかなと思います(eraso-ni)。

 I love you! what's your name?

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 最近、学生時代の友人F君が結婚した。畜生。

 先日彼と話す機会があったので、肝心の「夫婦生活」について質疑を繰り返しておったわけです。当初は照れて多くを語らなかったF君だったが、次第にその破廉恥な実態を明らかにし始めたのでした。

 ぼく:「ところで夜とかどうやって寝てるの? やっぱりダブルベッド?」
 F君:「いやー。部屋せまいし、布団ふたつ並べて寝てるよ」
 ぼく:「じゃあさ、ほら。営みのときはどうやって仕掛けるわけ?」
 F君:「それなんだけどさ。一度マヌケなことがあってねェ」
 ぼく:「え、なになに?」
 F君:「向こうが俺の布団に移ってきたんだよ。『ねェ入れて』って言いながら」
 ぼく:「ほうほう、それで?」
 F君:「そのとき俺、もう勃ってたからさ。もうOKなのかと思って挿れようとしたんだよね」
 ぼく:「……」
 F君:「そしたら『なにすんのよ!』って蹴られちゃってさァ。それ以来ご無沙汰なんだよね」

 そうですか。えーと、これは単なるノロケ話ではないんでしょうか。

 莫迦な話には寛容なつもりだったが、寛大なばかりではない自分を再発見。

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 さて本日、某企業の連載コラムが更新。…されているはずなんですが。

 現時点(日曜深夜1時)ではなぜかまだ見れません。トップページのコーナー欄は更新されてるものの、クリックしても「ページが見つかりません」とのメッセージ。担当のかたがアップし忘れてるんでしょうか。それとも内容に問題があったんでしょうか。

 ちなみにテーマは「いまどきの京葉巻」。ブルジョアな剛の者、を標榜して、京都の各地で葉巻を吸ってみたレポートです。月曜日にはアップされてると思いますので、よければご覧くださると嬉しいです。

 

3月7日(金曜) 深夜

 ビール1.5リットル飲んだけれども、気持ちだけはシラフであります。ぼyほがえs。

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 子どもの頃を思い返すと、いろいろ「実験」をしたものだった。

 たとえば、「水道水は塩素が入っていて消毒されてるから安全」という知識を得た小学生当時。それを実証するために、ぼくは便器の水を飲んでみた。結果的に体調は大丈夫で、「実験成功」と喜んでいたのだが、いま思うとあの頃から妙な菌が繁殖しているようなきがする。

 同じく小学校時代、親から買ってもらったラジコンを分解してみたことがあった。「配線をどこまで切ったら動かなくなるか」を検証してみたかったんである(トンボは頭をちぎっても生きていたし)。で、予想では数十本の配線を切断したところで動かなくなる予定だったのだが、実際やってみたら最初の一本を切った時点で見事に動かなくなってションボリしたのを思い出す。

 …と、すべて過去の話ようにして書いておりますが。

 先日、職場の水槽の金魚が死んだので敷地内に穴を掘ってお墓を作ったんである。でもついつい実験精神が頭をもたげてしまい、一週間に一度は穴を掘り返して「金魚の腐敗具合」を確かめておる昨今なのであります。

 なにかの病気なんでしょうか。

 これが精神的な病気だったら、すべて病気のせいにできるので安心だ。病気だったらいいんだけどなー。

 

3月6日(木曜) 深夜

 さっきまで映画「ピンポン」のビデオ観てました。

 実はぼくには卓球の才能があるような気がしてきた。いままでの卓球人生を振り返ると女性にも負け続けてる体たらくだが、「能あるタカは爪を隠す」と言われるとおり。隠していた意識は全くないが、これはきっと、ぼくの無意識が格言を守ろうとがんばってきたのだろう。

 おかげでさっきからラケットの素振りとかして過ごしております。

 「ロッキー」を観た後、自分にはボクシングの才能があるんじゃないかと一瞬思った中学生時代を想い出しました。

−−−

 中華料理屋で昼飯を食べていたらテレビに小泉首相が映っていた。

 これを見ていた隣テーブルのオヤジ二人がぶつくさ言い始めたのだった。

オヤジ1:「ワシ、小泉っちゅうのはなんや信用でけへんなァ」
オヤジ2:「ほう、そらまたなんでやのん?」
オヤジ1:「ああいう顔はなんや胡散臭う感じるんや」
オヤジ2:「そうかァ」

 なんだかよく分からないが、ふーんと思いながら彼らの会話を聞いておったわけですが。

 しばらく後、また突然な会話が始まった。

オヤジ2:「さっきので思ったンやが、あんた小泉さんに顔似とるなァ」
オヤジ1:「いやァ、そうかねェ。そんな大したもんやないでワシは」
オヤジ2:「お世辞やないで。ホンマに似とるわ」
オヤジ1:「いやいや、そんなまたァ」(照れ笑い)

  いったい何がどうなってるのか、ぼくにはさっぱり分かりません。

 

3月5日(水曜) 深夜

 さっき、アパートの隣室から歌声がかすかに聞こえてきたので壁に耳をつけてみた。

 すると音が鮮明に聞こえてきた。部屋の主(女子大生風の美人)が上機嫌でスピッツの曲を鼻歌していたのだった。きょうびの女子大生は自室でこんなのを歌ってるんですか。ふーん。

 …と興味本位でしばらく聴いていたところ、突然、「ブー!」と聞き慣れた音が鳴った。おならである。きょうびの女子大生はスピッツとか歌いながらおならをするんですか。ぷーん。

 盗聴マニヤの気持ちがちょっと分かった気がした。

 でも逆に、もし自分の部屋が盗聴されてたらと考えるとゾッとする。なにしろコトあるたびに独り言を発しているんである。

「よーし食べるでェ」(夕食前にボソリ)
「テレビ…かァ」(テレビをつける前にボソリ」
「ああ、もうアカン…」(パソコンがフリーズしたときにボソリ)

 こんなものを聴かれてるとしたら、今後どうやってアパートの隣人と顔を合わせればいいのだ。会ったとたんに顔が赤くなったりして、これじゃあまるで片思いの青年じゃねえか。よけいにキモがられること請け合いじゃねえか。

 キモい人はなにをやってもキモくなる、という当たり前のお話でした。

−−−

 上司への報告書を書いた。

 A4用紙1ページにおさめるよう言われていたのだが(多いと読むのに時間がかかるからとのこと)、書いてみたら2ページ弱の分量になってしまった。ああ、今さら半分に縮約するなんて考えただけでウンザリだ。

 そこでフォントを小さくして、行間をギュッと詰めたら1ページになったので、そのまま提出しておきました。

 約束は守るのがぼくのモットーです。

 

3月4日(火曜) 夜

 3年ぶりくらいにメガネを買い替えた。

 そういや友人S君は、会うたびにメガネが変わっている。

 とくにオシャレなわけでもないし、とくに金持ちなわけでもない。ぼくと同い年だから、そうそう近視が進むとも思えない。なのに年に1回2回のペースでメガネを変え続けている彼。これは一体なんなのか?

 …と気になって本人に訊ねてみたら、理由は単純なことだった。

 「実はオレ、飲んで泥酔するたびにメガネなくすんだよ」

 そういうことでしたか。いやァいいねえ!

 さらにS君が言うには、同じ理由で靴も何度か失くしてるらしい。飲みにいった翌日、気がつけば記憶もないし靴もない。あわてて居酒屋に「靴の忘れ物ありませんか?」と問い合わせてみるも見つからず、結局そのつど新しく買い直しているらしい。

 結果的にはそのとき流行しているデザインの品を買うことになる。どおりで彼は、いつも時代をキャッチしたメガネや靴を身に着けているのだった。

 オシャレの第一歩は泥酔から。ぼくはまだまだコレが足りない。

−−−

 でもぼくも、飲んで帰った翌日メガネが見つからずあせることが多い。

 極度の近視なので部屋中なめまわすようにして探すことになるのだが、たいていは本棚の上とかペン立ての中とか、えらくややこしい場所に安置されている。この前など、ご丁寧にもメガネケースに入れたうえで冷蔵庫の上に置いてあった。

 おぼろげな記憶の糸をたぐってみると、どうやら泥酔したなりにいろいろ考えていたっぽいのだった。

  1. いま酔ってるし、そのへんにメガネとか置いたら踏んづけて壊してしまう
  2. どこか安全なところにちゃんと格納しておかなくては
  3. よし冷蔵庫の上だ! 念のためメガネケースにも入れておこう

 酔うとその人の「本来の姿」が出るとよく言われるが、ぼくの場合はますます心配性になるみたいです。豪快に飲めば飲むほど臆病になり、チマチマとせこいことばかりする。

 きっとぼくなりに、酔うとケダモノになってるんだと思う。弱い動物はいつもビクビク臆病おびえてますから。

 

3月3日(月曜) 夜

 最近なんか忙しいので、久しぶりにゲームセンターに行ってしまいました。

 一階フロアはプリクラになっているのだが、ぼくが通りがかったとき、ちょうど男性が一人でマシンに入っていくのが目に入った。あれは一体なんだったのだろう。さては証明写真用か。

 最近のプリクラ事情はよく知らないけれど、「証明写真モード」とかがあるんだろうか。入れ替わりプリクラ撮ってる女子高生たちも実は、就職のためにけなげにがんばっているのかもしれませんな。

 しかしあの男性、証明写真じゃないとしたら何だったのか気になる。さてはストーキング用にオナニー写真でも撮ってましたか。

 ところでプリクラには「猥褻物チェック機能」はあるんだろうかとふと思う。猥褻物のプリントアウトを未然に防止するべく、チンコやマンコを判別して規制するわけである。カラーコピー機に「ニセ札偽造チェック機能」が組み込まれているように。

 きっとないだろうけど、もしあるとしたら、どういう判別基準なんだろう。紙幣はどれも同じパターンだから容易に判別できるだろうけれど、性器は個々人によって形も色も千差万別である。これをどうやって機械的に見分けるか。

 開発の過渡期にはさぞ、いろんな問題が出てくることと予想される。

 とくに2番目と3番目に該当したらショックだろうなァと思う。

 「オレのはチンコと認められないのかよっ!」
 「私って性器顔なの!?」

 …こういうプリクラが開発されても、MORO写真を撮る勇気など消え失せました。結果的にはこれでいいのだ、と自分を静かになぐさめる。

 

3月1日(土曜) 夜

 欲求不満がたまっていたのでネオマートで「エロ福袋」を買った。1000円。

 帰宅してさっそく開けてみたところ、中身はエロトランプとエロボールペンの2点セットだった。ガックシ。

 でもせっかくだからとボールペンを使ってみた。ペンを上下逆さにすると、黒い着衣部分が消えてMORO見えになるという仕組みである。

使用前

使用後

 本当は肝心の部分も全部あらわになるのだが、公序良俗違反でジオに削除されたらイヤなので、着衣部分を少し残しておきました。こうして見ると陰毛がすごい多い少女のようですが。

 ちなみにこのボールペンの解説書には次のように書かれていた。

 

 「はるかヨーロッパの最新ヌード」ですか。そして「この製品は書き易さと品質の優秀さが特徴」ですか。気が抜けてヘナヘナになってしまいそうです。

 でももったいないので、ひたすら何度もボールペンを上下させて過ごすサタデーナイトであります。

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 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京天王寺」。大阪屈指のディープスポットである天王寺公園の界隈を探索してきたレポートです。ほんとは「いまどきの京ホームレス」と名付けたかったんですが、いろいろ問題になりそうなので無難なタイトルとなってしまいました。

 ダンボールハウスなど紹介してますので、よければご覧くださると嬉しいです。

 


   2003年2月のプチ日記 

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