2004年3月のプチ日記

3月31日(水曜) 夜

 我がアパートに光ファイバー回線がつながって数日。

 サイト巡りをしてる段にはそれほど違いを実感できなかったのだが、先日メールをチェックしたとき、その威力を思い知らされた。160通くらいたまっていたスパムメールがものの数秒でダウンロードされたんである(最近スパム対策をさぼってることもあって結構な量が届く)。うわーすごい!!

 今までは全て取り込むのに4〜5分かかっていた。一通ダウンロードされる度にチマチマ削除する、というのが実益を兼ねた暇つぶしになっていたのだ(悪者をどんどんやっつけていくような感覚といえばいいだろうか。我ながらセコいけれど)。それが数秒で済んでしまうとは……。

 というか、スパムメールでようやく実感する光ファイバーの威力。ぼくにブロードバンドは本当に必要なんでしょうか。

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 関係ないが、折り畳み傘の骨で指先を切ってしまった。

 4ミリ程度の小さな傷ながら、けっこう深くて出血するのでバンドエイドを貼ることにした。ただ、そのまま貼ると指先がゴロゴロして、細かい作業がいろいろやりにくくなる。左親指なのでとくに携帯メールが打ちづらい。

 …と、このように考えて工夫をこらしてみたわけです。

 普通のバンドエイドを細く切り、傷口はガードしながらも指の腹はいつも通り使えるようにしたんである。おお快適だ。これほどまでに快適なことが、果たしてこれまでの人生であっただろうか(指を切る前はどうだったのかはさておき)。

 てなわけで意気揚々と気分よく出社したところ、同僚から指摘されたのでした。

 「名倉さんって倹約上手ですよねー」

 こういう風に思われていたのかと身につまされた本日であります。バンドエイドもケチって使う男。

 おまけに、携帯メール打ちやすいように思って工夫したのに一通も来ないし。

 

3月30日(火曜) 深夜

 最近結婚したばかりのSさんという同僚がいるんですが。

 いままで一人暮らししていたのを引き払ったので、テレビや冷蔵庫、電子ピアノなどなど大量の不要物が出たらしい。

 ただ、こういった大型ゴミは当然ながら普通ゴミ(燃えるゴミ)には出せない。といって、業者に引き取ってもらうと高額のお金がかかる。

 そこでSさんは一計を案じた。テレビや冷蔵庫をすべてハンマーで粉砕して、普通ゴミとして出したんである。

 でもこれってどうなんだろう。確かに大型ゴミではなくなったけれど、成分というか材料は全く不変なのではないか。Sさんによれば、ゴミ収集の規約にはサイズしか決められていないというが、焼却場側としてはこれで本当にいいんだろうか。

 大きなウソをつくとすぐバレるから、小さなウソを積み重ねて最終的にごまかすようなものか。これならぼくもよくやっている。

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 そういやぼくも先日、アパートに光ファイバーが通じたので電話回線を廃止した。

 それに伴って、固定電話機とISDNルーターが無用の長物となったのだ。

 おかげで現在、電話機とルーターを分解したい誘惑と激しく格闘中である。機械類はとりあえず分解したくなる(まだ使える機械ならなおさらだ)。この習性は小学生以来ずっと変わらない。

 上記のSさんも実は、ただ分解したかっただけだったりして。まだ使える冷蔵庫、ああ猛烈に分解してえ!!

 

3月29日(月曜) 深夜

 本日でプチ日記5周年。

 こんなものを5年間も続けているのかと思うと我ながら気色悪い。

 そういやこの時期、いつも桜が咲き始める頃である。今年もすでにチラホラ咲き始めている。

 ぼくは桜の花を見ると妙に気分が暗くなる。周囲はみな生命のエネルギーに満ち満ちているのに、なんだか自分だけが取り残されているような気分になってくるのだ。

 そしてふと思うのが、プチ日記のファイル名が"mydiary"だということ。日記のタイトルは自虐でつけたが、ファイル名は素で考えた。いままで何度変えようかと思ったか数え知れないけれど、自戒を込めて今後もこれでいきます。

 mydiary を書き続けてはや5年。更新するたびに身の程を思い知らされる。

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 ところで、偉い人が死ぬと決まり文句のようにいろんな言葉が飛び交う。

 「かけがえのない人材を失った」
 「ずっと生き続けてほしかった」
 「亡くすには惜しすぎる人物だった」

 でも、こういうのってどうなんだろうなと時折思う。

 確かにどれもその通りかもしれないが、「かけがえのない人材」といえば誰だってそうだろう。それに実際、彼らが「ずっと生き続けて」いたら大変なことになりそうだ。どこもかしこも偉い人だらけで、うっとうしいことこの上ないのではないか。

 どんな人が死んだって、だいたい何とかなっている。私的には何とかならないこともあるだろうけど、それでも結局なんとかなってる。

 人は死ぬからいい。

 …と、意味なく暗い文章で終わってみます。

 

3月28日(日曜) 夜

 ウチのアパートに光ファイバーが通じた。

 大家さんのご意向で、全ての部屋で光ファイバーが無料で利用できるようになったのだ。光ファイバーアパート。こうでもしないと入居者を呼べないという切羽詰まった判断か。

 で、本日は工事の人が来てパソコンの設定をしてくれたのだが、おかげでブラウザの「お気に入り」などを見られてしまい恥ずかしかった。エロサイトも恥ずかしいが、なぜか「ヤドカリの生態」なんてページも入ってたりして。

 でも一番恥ずかしかったのは、デスクトップに鎮座していた「ワシのマグナム」というアイコンである。

 工事の担当者は何ごともないかのように黙々と作業してましたけれども。

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 レンタルしてきた映画『ガタカ』を観た。

 内容的にはシリアスSFという感じでよかったのだが(遺伝子管理された近未来社会で、管理されないメイクラブによって生まれた「不適格遺伝子を持つ男」が恋をしたり夢をかなえたりというお話)、気になったのはラブシーンである。

 映画のラブシーン全般に共通する問題だと感じるが、要するに単調すぎてリアリティに欠けるんである。まあ一般映画だから制約が多いのは分かるが、毛布の中でモゴモゴするだけというのはちょっとお粗末なんではなかろうか。

 どうせならベッドシーンでも、エンターテイメントを追求してほしいと思う。

 シリアスサスペンスのベッドシーンに「松葉くずし」や「金のシャチホコ」といった体位が登場する日を切に願う。

 

3月27日(土曜) 夜

 電車に座っているとき、かばんに入れていた携帯電話のバイブが鳴った。

 …と思って携帯を確認してみたが着歴はない。すると再び、かばんからバイブの振動がしてきた。あれ? 携帯は手に持ってるのにどういうことだ?

 答えは今回の日記の文末に。サスペンス日記であります。 

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 全然関係ないが、道端で拾った雑誌を読んでいたらこんな記事が。

鉄板焼キュイジーヌ

こんなのらしい

 お好み焼きに究極のオシャレさを求めた店らしい。

 キュイジーヌ(Cuisine)=料理の意味であるから、平たくいえば「鉄板焼料理」である。でも、お好み焼きってこういう食い物なんでしょうか。だったらなんでもアリではないか。

 とか言って、こういうのがホントに登場しそうで恐いけど。おしゃれも度が過ぎるとコントになる。

 ※ちなみに日記冒頭の答えは、「お腹がすいてグーグー鳴っていたのをバイブを勘違いした」というお話でした。ぽいーん。

 

3月25日(木曜) 夜

 職場のオジサン上司が、女子社員のファッションを見てこんなセリフを。

 「君おしゃれだねー。やっぱりコーディネートはこうでねえと! …なんつって。ガハハ」

 書くのも恥ずかしいが、要するにダジャレである。生きる化石に出会った気分。

 数が少ない生き物は保護すべきだという意見が多数派を占める世の中ですが、そうでもないように思った本日であります。

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 でも自分も、すっかりミドルエイジになったなァとふと思う。

 自分ではまだまだヤングのつもりなのだが…。

 いや、こんなこと言ってる時点でダメなのか。

 

3月24日(水曜) 深夜

 さっきテレビを見てたら、恥ずかしい思い違いをしていたことが発覚。

 「Tゾーンのお手入れ方法を実演してもらいます!」というレポーターの言葉を聴いて、うおっ! と画面にがぶりついてみて判明したのだった。

 「Tゾーン」って、額から鼻筋にかけてのゾーンを指す言葉だったのか。今まで漠然と「やらしい部分」なのだと思っていた。どことは特定できないけれど、女性のアノ部分一体を指す言葉だと解釈していたのだ。なーんだ、ガッカリである。

 おそらく「Tバック」と「デリケートゾーン」がごっちゃになっていたのだと思われるが、それにしても自分が情けない。半生を振り返ってみると、これまでも「○○ゾーン」と聞くたびにエロい連想をたくましくしていたような気がする。

 たとえば、「Vゾーン」が襟元を指す言葉であることを知ったのも数年前のことである。「デルタゾーン」あたりと混合していたのだ。

 しかし一方で、「Yゾーン」なる単語は実在する。もちろん女性の股ぐら一体を指す言葉である。「Y]が広く使われているなら、他にもいろいろあるんじゃないか。

 …てなことを考えているうち、どの文字を見てもエロさバツグンに思えてきました。ああ、もう辛抱たまりません。 

 Ωゾーンでもマッサージしながら寝ることにします。

 

3月23日(火曜) 深夜

 「トイレットペーパー以外は流さないでください」

 公衆便所なんかでよく見かける掲示である。

 「じゃあウンコは流さなくていいんだ」
 「っていうか、ウンコはどこにすればいいんだよ!?」

 このような意見をたまに耳にするが、あくまで冗談としての話だろう。これを見て、本気でトイレットペーパー以外「何も」流さない人など今までに出会ったことがない。読者の皆さんもおそらく同じだろうと思う。

 だが世の中には、こういう掲示を文字通り解釈してしまう人々がいるらしい。それが「高機能自閉症」(アスペルガー症候群)といわれる先天性疾患の患者たちだ。

 自閉症というのは、脳の機能に生まれつき偏りがあるせいで、日常生活にさまざまの支障をきたす障害である。想像力が乏しく、感情の機微や場の雰囲気をつかむのが極度に苦手で、反復的な日常生活に終始するといった病像が現れる。その反面、暗記や数学といった分野は一般人よりも得意だったりする。

 なかでも高機能自閉症と呼ばれる一群は、知的機能は保たれたまま一部の機能が障害されるため、独特の現象が認められるのだという。言語そのものは理解できるにもかかわらず、言葉をそのまま額面どおりにしか理解できない結果、ことわざや比喩、誇張表現などをそのまま受け取ってしまう。

 「トイレットペーパー以外は流さないでください」という掲示も、当然ながらそのままの意味にしか解釈できない。

 するとどうなるかというと、トイレに入った彼らはパニックに陥る。もともと気質的に律儀であるから、命令に背くということができない。ウンコはしたいけれど、トイレットペーパー以外は流しちゃいけないだって!? ああ、どうしたらいいんだよー!!

 そして結局、便器の傍らに排泄してしまったりする。こんな無慈悲な掲示があったばかりに……。

 今後はこういう人たちのことも考えて、掲示をより正確に見直すべきではないだろうか。

 「便器にはトイレットペーパーとウンコとおしっこ以外は流さないでください」
 「でも場合によっては例外もあります。どうしてものときは痰やゲロや精液を流す人もいます」

 

3月22日(月曜) 夜

 夕食を作っていたらふと、素敵な思い出が頭によみがえった。

 写真のアルミなべは母から譲り受けたものである。ぼくが一人暮らしすることになったとき、「よかったらこれ使いなさい」と言って渡してくれたのだった。見れば数年前までずっと母が使っていた年代モノのなべだった。

 我が家の食卓をずっと支え続けたなべ。それを息子に託そうとする母。

 思わず涙がこぼれそうになった。なんとなれば、このなべが台所にしまい込まれた経緯をぼくは知っていたからである。ああ母さん、このなべをぼくにくれようとするなんて……。

 ちなみに、なべが使われなくなった理由は「アルミ製の鍋を使ってるとアルツハイマー病になる可能性が高くなるから」。

 数年前のある日、このことをニュースで聞きた母は、「まあ大変!」と言って替わりのステンレスなべを購入してきたのだった。その日を境に、写真のアルミ鍋が使われることはなくなった。

 …という経緯があったので、あのときぼくは「いらないよ」と断ったのだった。でも「まあ持っていきなさい」と説得され、面倒なのでそのままこちらに持ってきた。で、新しいのを買うのも面倒なので、結局こうして使い続けているという次第である。

 これはきっと、「可哀想な子だからせめて早くボケておくれ」という母の優しさだったのだろう。ありがとう母さん!!

 ていうか、この母にしてこの子あり、という感じですな。お互いポクポク。

 

3月21日(日曜) 深夜

 無印良品でトムヤムクンセットを購入。

 そのとき、たまたま近くにいたカップルが会話していた。

女:「なんかこのへん、おしっこの臭いしない?」
男:「え? そうかなァ。オレは分かんないけど…」

 ぼくもオシッコの臭いはしなかったが、確かにちょっと変わった匂いは感じられた。このあたりはスパイスが展示されているので、レモングラスのような酸っぱい香りがほのかに漂っているのだ。

 ってことは、この女性のおしっこはこういう臭いなのか。おおー。

 とりあえず、あたりのにおいを胸いっぱいに吸い込んでおきました。

 ちょっと得したような気分になってる自分がなんとも可哀想であります。

−−−

 そういや、栗の花は精液そっくりの臭いがすると言われる(ぼくも実際に嗅いで思わず納得した経験あり)。

 ただ、おぼこ娘たちが栗の花を嗅いだらどういう反応をするんだろう。

 「ん? ウチのお風呂場のニオイがする!」

 こんなことを口走ってしまったらかなり恥ずかしい。お父さん、風呂場で何やってたんだって話である。

 我々はいま一度、においに潜む危険性を認識しなおしたほうがいい。

 

3月20日(土曜) 深夜

 自宅でバーボンを飲んでおります。ダンディですな(パジャマ姿だけど)。

 ところで、製菓会社ブルボンのローマ字表記は「BOURBON」である。バーボンの英語も同じく「BOURBON」。ってことは、両者は発音の表記が違うだけであって、意味としては同じだったのか。

荒野を駆け巡るガンマンの手には、いつも拳銃とブルボンが握られていたのだった……。

 カウボーイたちの好物は「ピッカラ」や「ピーナッツあられ」だったのかもしれない。

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 ところで少し前、酒鬼薔薇聖斗さんが退院なすったそうですが。

 報道によれば、以前の彼はリビドー(性的エネルギー)がサディズムに向かっていた。だがその後の矯正によって、歪んだリビドーが生身の女性に対する暖かい愛情へと変遷していったとのこと。

 でも、こういうのってどうなんだろう。

 自称「専門家」が言うには、女性への暖かい愛情は種々の心理テストなどによって実証されているらしい。でもこんなの、所詮はテストではないか。ほんとに実証するためには、能動的かつ実際的な行動が観察されなくてはならない。

 彼の治療は女性精神科医が担当したと聞くが、だったらこういうレポートが必要ではあるまいか。

 真実がこうであったら、ぼくも矯正を信じるかもしれない。でも腹が立つので、ますます彼を許さなくなると思う。

 遺族の方々の心中はいかばかりか。…いや、ええと、本当にすみません。

 

3月19日(金曜) 夜

 ぼくは深酒するとすぐ記憶をなくす。ブラックアウトというやつである。

 自分がどこにいて何をしていたのか全く憶えていない。心配になって、同席していた知人に訊ねてみると、だいたい逆に驚かれる。「えっ? ふつうの顔して喋ってたのに記憶ないの!?」と。一人でひっそり勝手に記憶なくしてるだけであるから世話はない。

 誰かに迷惑かけてるわけじゃないから別にいいのだが、それでもたまに困ったことになる。その最たるものが、自転車に乗って飲みに出かけた翌日である。

  1. 自転車で飲み屋に到着
  2. しこたま飲んで酔っ払い、勢いづいて何軒もハシゴ
  3. いつの間にか自転車のことなど忘れて歩き回ってる
  4. 気がつけば翌朝、自宅で目が醒める
  5. どうやって帰ったか全く記憶にない
  6. アパートの駐輪場を確かめると案の定、自分の自転車は見当たらない

 ここで初めて青ざめるのだ。

 あわてて一軒目の店に足を運んでみるも、当然ながら自転車の姿はない。そういや二軒目には自転車で移動したような気がする。とりあえずそっちに行ってみよう。

 …と二軒目に到着。しかし自転車は見当たらない。ええと、ええと、二軒目の次ってどうしたんだっけ? 感覚的にはそのまま自宅にワープした感じなのだが、そんなことがあるワケない。ああー、もう全然記憶がない!!

 恥をしのんで、同席していた知人に電話して三軒目の場所を確認。急いで駆けつけてみるが、ここにも自転車は置かれていない。再び知人に電話して「三軒目のその後」を尋ねてみるが、そこからは相手も記憶があいまいだという。もう一人の知人に連絡して訊ねるも、彼は三軒目で帰宅したとのこと。

 ああ、どうしたらいいんだ……。オレの自転車よ、持ち主を見捨てていったいどこを彷徨っているのだ!? (いやまァ、自転車のほうこそ、こう言いたいところだろうけれども)

 こうして「自分が行きそうな場所」を片っ端から練り歩いて自転車を探しているときほど心細いものはない。以前に行ったことのある居酒屋やスナックを手当たり次第にあたってみたり、エロ本の充実しているコンビニの前をチェックしてみたり。

 駅前の大量路駐ゾーンの自転車をしらみつぶしにチェックしていたら警官に怪しまれ、正直に「自転車をどこに置いたか忘れちゃって…」と答えて余計に怪しまれたりしながら。

 それでも一向に見つからない自転車。ああ、オレの行動パターンが分からないよ!!

 そして結局、公衆便所の前とかで偶然見つかったりする。施錠だけはちゃんとしてあって涙が出そうになる。

 こういうことが度重なるので、自転車で飲みに行ったときはデジカメで撮影するよう心がけているのだが、酔っ払うとこのこと自体を忘れてしまうのでどうしようもない。こうなったら、数Kmくらいあるタコ糸で自転車と自分を結わえて飲みに行くか。

 というか自転車で飲みに行かなきゃいいんだけど。でも「今日は大丈夫!」と、シラフのときは思っちゃうんだよなァ。

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 さて昨日、 Go smoking の連載コラムが更新されてます。

 今回のタイトルは「はじめてのタバコ」。ぼくが生まれて初めてタバコを吸ったときのエピソードを生々しく書かせてもらいました。高校2年生の自分。いま振り返ると、あまりのイタさに我ながら同情を禁じえません。

 みんなの「はじめてのタバコ」ってどんなのだったんだろう。多かれ少なかれイタかったはずだと思うのはぼくだけでしょうか。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

3月18日(木曜) 深夜

 なんか忙しいのう。

 職場から帰宅するとウトウトしてしまい、そのまま2時間ほど「夜寝」することが多い。すると、持ち帰りの仕事がある日などは、寝るまでの短い時間のなかでやっつけなくてはいけなくなる。ああ忙しい。これじゃあ、ボケーとするひまもありゃしない。

 寝る時間が多くなると、てきめんに生活が忙しくなる。難儀である。

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 関係ないが、同僚の女性Fさんがシェイプアップのためスポーツジムに通い始めた。

 ルームランナーなどのエクササイズをはじめ、エアロビ、水泳などいろんなメニューがあるらしい。ただ、水泳は水着に着替えるのが面倒なので、泳いでみたいけどやっていないとのこと。

 これを聞いたぼくは「それには及ばないよ!」とコメントした。頓智を思いついたからである。

 ジムで水着に着替えるのが煩雑なのはまァ分かる。でも、だったら家を出るときから下着代わりに水着をつけていけばいい。こうすえば、エクササイズをこなした後、そのままプールで汗を流すことができる。一石二鳥ではないか。

 するとFさんいわく、「じゃあ帰りはどうしたらいいのよ?」。だが心配無用、これについても大丈夫である。

 水着にタオルを押し付けて水分を吸収させればいいのだ。それでも股布部分などは乾きにくいだろうから、ドライヤーを当てて乾燥させればいい。そのうえでしばらく室内をブラブラすれば、きっと水着は乾ききっていることだろう。

 …と進言したところ、「股間にドライヤー当てて乾かすなんて真似、恥ずかしくてできるわけないでしょ!」「そこまでするくらいなら着替えるわよ!」とキレられてしまいました。

 楽するための苦労は惜しまないぼくであるが、今回の提案は確かに頭悪かったかも。と少しだけ反省しました。

 

3月17日(水曜) 深夜

 おかげさまで風邪は急速に改善しました。

 昨夜はしんどかったので寝転びながらカツオの刺身を食い、葛根湯と抗生物質を飲んだ。そのあと、アパート隣室についてプチ日記を書いたのだった(昨日の日記参照)。

 これがよかったんだろうか。

 今後風邪をひいたときは、「寝転びながらカツオの刺身を食い、葛根湯と抗生物質を飲み、アパート隣室に関する日記を書く」ことにしよう。

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 というわけで、本日はいつもと変わらず仕事してました。

 昼食は出先の喫茶店でオムライスを食べたわけですが。

 注文したのに5分経っても10分経っても料理が出てこない。取引先との約束時間が迫っていたのでウェイトレスに「ちょっと急いでるので…」とお願いしたら、「かしこまりました!」と威勢のいい答えが返ってきたものの、15分経ってもまだ出てこない。

 一体どうなってんだ!? ああこのままじゃ遅刻するじゃねえか!! このままトンズラしてしまおうか……。

 などと思索していたらようやく運ばれてきた。注文してからゆうに20分は経っている。

 おまけにオムライスを見れば、ものすごく緻密な花柄がケチャップで描かれていた。きーっ、なんですかこれは!? こんなの描いてるヒマがあったらさっさと運んでこいよ!! あと5分で食い終えなきゃならない立場にもなってみろ。

 けっきょく5分間では食い終われず、卵皮とライス半分を胃に収めた時点でタイムオーバーとなってしまったのでした。これじゃあまるで、「まずくて残したけれど、もったいないから卵皮だけは平らげた」みたいじゃねえか。

 おまけに取引先との約束にも数分遅刻してしまった。咄嗟に「オムライスのケチャップが花柄だったもので…」と言い訳しそうになったけれど、なんとか思いとどまりました。

 これからは「ケチャップの模様は11111でお願いします」と注文しよう(111だとケチャップが少なくなりそうだし)。

 

3月16日(火曜) 深夜

 風邪をひいてしまいました。喉が痛い。体がだるい。

 ああどうしよう。これで今週も仕事をサボる理由ができてしまった。

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 アパートに帰宅したら、隣室の前に塩が置かれていた。

 どうやら葬式帰りか何からしい。信心深いのは分かるが、こういうのってアパートでされると妙な気分にさせられる。

 それによく考えると、自分の部屋にだけ塩をまくとは利己的な人である。家主が持ち帰った「けがれ」は、ぼくらの部屋には入り放題ではあるまいか。だったらアパートの入口にまいたらどうだ。

 …って、ほんとにそんなことされても迷惑なんだけどさ。現代住居と伝統風習の折り合いもなかなか難しい。

 

3月15日(月曜) 深夜

 先日、仕事がらみの研修会に参加した。

 その中に、どうにも話が通じない参加者がいた(仮にAさんとしよう)。発言するないようはことごとく要を得ないし、何を言いたいのかさっぱり分からない。おまけに主張する意見も、思わずみんなが笑いをこらえるようなものばかり。

 ポジティブシンキングな小生などは、ああ世の中にはこんな人もいるのか、下には下がいるんだと生きる希望をグングン募らせておったわけでありますが。

 研修会が終わった直後、そのAさんが突然しゃべり始めたのだった。

 「えー、実は私、○○という会社を立ち上げておりまして。機会があればどうぞご用命をお願いいたします!」

 なんとも場違いな宣伝発言にシーンと静まり返る参加者一同。

 でもぼくは、これを聞いて本当によかったと思った。この○○という会社はリストなどでたまに見聞きしていたが、まさかAさんみたいな人が運営していたとは露知らなかったのだ。ああ、知ることができてよかった。

 ぼくが仕事の受注をまかされたら、この○○社だけはぜったい避けよう。我が身のためだ。無価値な宣伝や広告が多い昨今、こうやって本当に有益な情報もちゃんと存在するのだ。

 ありがとうAさん!!

 

3月14日(日曜) 夜

 たけし監督『座頭市』を見た。

 こういうバイオレンスな殺陣シーンが多い作品こそ、プレステ2とかでゲーム化すればいいと思う。

 主人公はもちろん座頭市ご本人、よりリアルな体感を追求すると次のようなゲームになるだろう。

 これならリアルな臨場感あふれるうえ、急騰が問題になっているゲーム開発費も安く抑えられて一石二鳥ではないか。プレステ2ならではのCG技術を駆使すれば、より完全に真っ暗な画面を演出できることだろう。

PS2「座頭市」 最新デモ画像 

 こういうゲームなら一度でいいからやってみたい。

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 ただ、実際の(というのも変だが)座頭市は、周囲の音やにおいで刺客の動きをつかんでいた。

 音についてはいいとしても、今後の課題はやはり「におい」インターフェイスか。

 どんなエロチカゲームが開発されるか愉しみですな。

 

3月13日(土曜) 夜

 こんなお菓子をいただきました。

 どら焼きならぬ「虎焼」。なかなか素敵なセンスであります。ひょっとすると「どら焼き」の語源はこれなのかもしれない。スパゲティなんかもいずれはズパゲティになることだろう。

 ところで当の虎は、自分がこんなお菓子になっていることを知っているんだろうか。動物界の副総理大臣だというのに。

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 先日、自宅パソコンで「スメグマ」と入力したら、一発で変換されたので驚いた。

 結構やるじゃんマイクロソフト。やはり英語系は強いのか。

 …と思ったけど、よく考えたらきっと違いますね。

 ぼくのIMEで、一発変換されないエロ単語なんてあるんだろうか。

 パイパン、バルトリン、ラビアミノーラ…。ああ、どれもこれも一発変換だ!!

 

3月11日(木曜) 深夜

 ゲームセンターなんかの麻雀ゲームに、こちらが勝つと相手の女性が脱衣していくのがよくある。

 女性のヌード画像などネットを使えばいまや無料で見放題であるが、「自分が勝てば相手が脱いでいく」という随伴性が殿方たちを惹きつけるのだろう。「いっちょワシが脱がしたろうやないけ!」という支配感。

 冷静に考えれば、麻雀に勝ったらなぜ相手が脱ぐのかよく分からないし、だったらこっちが負ければ自分が脱ぐのかという疑問も残る。露出狂のおじさんなどは、負けたら負けたで大ハシャギかもしれない。「ふふふ、次はおっちゃんのウインナーやなっ!」

 …すみません。ええと、こういうことを書きたかったワケではなくてですね。今回言いたかったのは、じゃあオバサン達にはどういった麻雀ゲームがいいのかということ。若い女性のハダカなど見たくないだろうし、かといってオヤジのヌードも御免だろう。

 そこで思い出すのがぼくの祖母である。彼女は格言やらことわざやらが大好きで、毎年「格言付き日めくりカレンダー」を購入しては有り難がっていた。高齢化社会の到来が叫ばれる昨今、これからのゲームビジネスはこれかもしれない。

 「勝つと格言が表示される麻雀ゲーム」

 画面上で牌が配られ、コンピュータと対戦する。そしてドラドラ、リーチ、ツモ!(ぼくは麻雀を知らないのでテキトーです) ようし勝ったわさ!! 

 すると画面は暗転し、テロップがバーンと現れるのだ。

 「石の上にも三年」

 ああ、ありがたや……。プレイしてよかったー! あたしゃもう股布大洪水だわ!(老人用オムツです。念のため)

 こんなゲームが現れる日を心待ちにしつつ、本日はこのへんにて。

 

3月10日(水曜) 深夜

 長嶋監督のニュースのせいか、「巨人軍」のテロップをよく見かける。

 ただ、この表記を見るたびにいつもふと思う。平和国家の日本では軍隊は禁止されていて、日本軍は自衛隊ってことになっている今の世の中、巨人は軍でいいんだろうかト(小学校時代、平和教育の洗脳を受けたせいだろうか)。

 そこでどうだろう。「巨人自衛隊」というのは。

 …でもこうして書いてみると、意外と違和感がないので不思議である。

 というか、ただのスポーツ風刺っぽくてしょんぼり。

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 話は変わるが、職場のウチの部署には電子レンジがある。

 パンや弁当を温められるのでみんな重宝しているのだが、隣の部署にはレンジがない。なので隣部署の人たちは、温めたいものがあるとウチの部署まで足を運ぶ日々を過ごしておるわけです。

 そんな本日、いつものようにパンを温めにきた隣部署のAさんが言ったのだった。

 「もうひとつレンジがあったらいいのになァ。ああ、フエルミラー(ドラえもんの道具)があったらいいのに!」

 あのーAさん。フエルミラーを開発するくらいなら、ふつうに電子レンジを買ったほうがずっと早いと思うんですが。

 

3月9日(火曜) 深夜

 最近なにやら芋焼酎ブームのようで。

 健康に良いというのがその一因らしいが、焼酎など飲みすぎれば体に悪いに決まってる。

 ぼくは学生時代、焼酎を飲みすぎて真っ黄色の汁を吐いたことがある。自分では適量のつもりだったのだが、ぼくにとっての適量は「意識を失う程度」なので、どうやらこれが悪かったようだ。

 それはさておき、健康といえば現在、「アミノ」「サプリ」「カテキン」「イオン」といった品々が流行りである。さらに言うなら、飲食物だけで健康になろうなんてのは基本的に虫がよすぎる。健康といえばやはり「スポーツ」が欠かせない。

 そこで提案したい。これらの健康要素を芋焼酎に付加すれば売り上げ倍増なのではないか。

“ついに登場、スポーツ芋焼酎!! 「さつま白波イオンサプリ」”

 ただひとつ言えるのは、こんなもん飲むくらいなら消毒用アルコールを飲むということだ。 

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 健康をテーマにした番組ではいろんなモノが紹介されるけど。

 どんな食品でも、どこか健康にいい要素はあるだろうといつも思う。それに、番組で紹介されたモノを全部摂取しようと思ったら、それこそ心労で倒れてしまいそうである。ビタミン、ポリフェノール、カテキン、コレステロール、DHA、酵母、鉄分……。あうー。

 食事のことで毎日頭いっぱいになり、疲れ果てて病気になる。これも新手のデカダンスでしょうか。ヘルシー無頼。

 

3月7日(月曜) 夜

 仕事などで電子メールを使う機会が多いわけですが。

 件名を入力しようとすると、IMEが立ち上がっていなくて英語入力になってしまう。途中まで入力したところで気づき、日本語変換をONにしてもう一度打ちなおす。

 …というのを毎日繰り返している気がする。今年にはいってからでも既に100回以上はやっている。

 ぼくだけかと思って周りを観察してみたら、同僚のSさんもTさんも皆、同じことを繰り返していた。

 ああもったいない。このエネルギーをなんとか有効利用できないものか。みんなの一年分を集めりゃあ、短編小説ひとつぶんくらいの文章がたまるんじゃないだろうか。

 otukaresa osewaninar ryousyouita arigatougoz... こんなのがずっと続く短編。フーゴ・バルもびっくりである。

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 話は変わるが、レンタルのCDやビデオに触れたら必ず手を洗うという知人がいる。

 いわく、「不特定多数が手にしているモノだから、どんなバイ菌が付いてるか分からないでしょ」。

 確かにそうかもしれないが、だったらデパートで売られている洋服や食料品だって同じことだろう。でも、これらについては別に手を洗わないという。論理的に考えたらおかしいんではないか?

 …と突っこんでみたら、即座に返事がかえってきたのでした。

 「じゃあさ。髪の毛よりもトイレの床のほうが菌の数は少ないって言われてるけど、トイレの床を触っても平気なわけ?」

 グッ。確かに理屈ではそうだけど…。

 こういうのは理屈じゃないんだよ! トイレの床を触って手を洗うのは普通だけど、レンタルCDに触れただけで手を洗うのは普通じゃないだろう? こういうのは理屈じゃなくて感性の問題なんだよ!!

 このように反撃したところ、「ほーら感性の問題でしょ」と一蹴されてしまいました。負けました。

 

3月7日(日曜) 夜

 ひさしぶりに牛肉を食いました。うまい。

 ところで一般的に、肉食動物よりも草食動物のほうが美味だと言われる。

 たとえばウミガメは食用になるが、それは草食性のアオウミガメの話であって、動物食性のアカウミガメの肉は臭くてまずいらしい。それに考えてみると、牛もブタもニワトリもみな草食動物である(ブタは雑食だけど非常に草食寄り)。

 例外もあろうが、とりえあえずは草食動物のほうが美味い。というか、我々人類は、草食動物を美味いと感じるようプログラムされている。これはどうしてかと言えば、おそらく草食動物を捕まえるほうが安全だからではないか。

 その昔、「トラやライオンの肉しか食わない人類」と「ニワトリやブタの肉が大好きな人類」がいたと仮定しよう。すると前者はどんどん命を落としてゆき、後者は命を落とすことなく繁殖する。自然淘汰圧が草食動物を好むほうに有利であることは自明であろう。

 人類は基本的に臆病で小心者なのだ。いくらボブサップがでかいステーキ頬張ってたって、暴力団の方々が高級しゃぶしゃぶを突付いていたって、しょせんは「草食動物好き」なんである。ああ、弱いモノはさぞ美味いでしょうなァ!!

 こう考えると、結局みんな自分と同じなんだと思えて気分がいい。

 ちなみにぼくの好物はオクラと納豆です。草食動物ですら怖いのか。

 

3月6日(土曜) 深夜

 なにも予定なく一人で過ごしている土日であります。うわー、猛烈に気楽だァー。

 こういう週末こそ思いっきり羽をのばして引きこもろうと思い、金曜の夜から着々と準備を進めておったわけです。週末に一度も外出しなくて済むように、食料やタバコを数日分買いだめ。そして退屈しても大丈夫なようにと、ツタヤでビデオとCDを数枚ずつレンタル。

 よおし、思いっきりハードに引きこもるぞォ! なにがなんでも部屋から出ないぞォ! 風呂にも入らずパジャマ姿で一日中ゴロゴロして、食いたくなったらなにか食って、眠くなったら歯みがきもせずそのまま昼寝するぞォ!

 …と、ひたすら惰眠をむさぼり尽くしていた本日なのですが。

 夜になって酒でも飲もうと思って気がついた。アルコールだけは買いだめするとあるだけ飲んでしまうので、金曜の一日分しか買って帰らなかったのだ(自制心が強いのか弱いのかよく分からないが)。部屋にあるのはコップに残っている飲み残しの水割りが数センチのみ。ああ……。

 やむなくさっき、近所のコンビニまで酒を買いに行きました。食料もタバコも売られまくり。

 将来、万一ぼくが大統領とかになって核シェルターを作ることになったなら、ネックは酒だなァと思う。なにしろ「買いだめ」できないのだ。そうなったら、少し離れたところに「酒屋用の小さな核シェルター」を掘らせるしかない(同じシェルター内に酒屋など置いたら際限なく飲んでしまう!)。

 というか、こんなヤツが大統領になどなれるわけがないですね。失礼しました。

 −−−

 さて、久しぶりにプチ狂気コーナーを更新いたしました。

 更新が遅れてしまい申し訳ありません。投稿をいただきながらアップできてない、という罪悪感はずっと抱いていたのですが、いろいろ忙しくて更新できないまま時が過ぎてしまいました。あと実は、「罪悪感は蜜の味」というのも多少はありまして……。重ね重ね申し訳ありません。

 そのせいで今回は、103個の投稿を一挙公開! という運びになりました。投稿ありがとうございます。

 強盗が心配でいつも傍らにナイフを置いているかた、モーニング娘。をテレビで見るたびに「この中の誰かは生理中で大変なのに笑顔でがんばってるんだな」など考えてしまうかた、などなど今回も盛りだくさんです。イイネイイネ!

 よろしければご笑覧くだされば幸いです。

追伸:「プチ狂気」の出版については現在、どちらかというと順調に進行中です。現在、照れ臭さに悶絶しながら編著者プロフィールを考えたりしております。先日は表紙を描いてもらえるイラストレータさんも決まりました。個人的に「センスありすぎやんけ!」と常々尊敬している某さまが快諾してくださって嬉しい限り。頼んでよかったー。でも勇気を出してハードに注文とかケチとかつけるぞー(気が弱いので直接は言えず、編集を通じてというセコさ)。出版までもうしばらくお時間ください。

 

3月4日(木曜) 深夜

 世の中には美しいものや可愛らしいものがたくさん存在する。

 季節の花々、宝石、ちいさなヒヨコたち。

 確かにどれも美しいし、かわいい。ただ、それはあくまで個々としてであって、どんなものでも大量になると気持ち悪いんではないか? たとえばコスモスの花だって、平野一面にぎっしり10億本とか咲いていたら吐き気をもよおすんではなかろうか?

 …てなことを以前、知人に話してみたら即座に否定された。

 「そんなことないよー。私だったら、子犬が道に一万匹歩いてたって可愛いと思うなァ」

 このケースの場合、相手が大の犬好きだったのが災いしたようだが、それでもどうなんだろうと今でも思う。

 ところで先日、友達K君(井上和香ファン)と飲んでいたら、なぜか乳首の話になった。そこで彼は「乳首ってホントいいよなァ」「なんであんなにいいんだろう」などと発言していたわけですが。

 井上和香と乳首が大好きな彼にとって、こういうのはどうなんだろう。

 「乳首が全身に3万8千個ある井上和香」

 胸部はもちろん、腹部に背部、四肢、顔面にいたるまで、すべて茶褐色の突起でおおわれているのだ。果たしてこれは彼にとっての理想郷なのか。「そんな和香チャンがいたら最高だよな…」なんて遠い目をしてうっとりするものだろうか。

 念のためK君に電話して「こんな和香チャンがいたとしたらどう?」と確認してみたところ、死ねと言われてしまいました。

−−−

 さて、隔週木曜日の Go smoking 連載コラムが更新されてます。

 今回のタイトルは「タバコを吸って人生を想う」。運転免許とりたての学生時代、高速道を飛ばしながらタバコを吸ったばかりにエライことになってしまったエピソードについて書いております。まァありがちな話だとは思いますが、いま思い出しても冷や汗がにじみます。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

3月3日(水曜) 夜

 昨夜の日記を読んだ御婦人からメールをいただいた。

精液とオシッコが同じところから出てるなんて知りませんでした! てっきり別の穴から出てるんだとばかり思ってました。すごい衝撃を受けています…。ああ、飲むんじゃなかった。

 こちらこそ、こんな人もいたのかと衝撃を受けたことを付記しておきます。

−−−

 それはさておき。今日、上司から指摘された。

 「キミ、理由もないのに謝りすぎだよ。すぐに『すみません!』って言う」

 パソコンの資料ファイルを上司に見せようとしたらフリーズしたとき、咄嗟に「すみません!」と言う。上司がたまたまアクビしてるときに話しかけてしまったときも「すみません!」と言う。…こんなのはキミが悪いわけじゃないんだから、いちいち謝らなくたっていいんだよというワケである。

 で、これを聞き終わったぼくは、気がつけば「どうもすみませんでした」と口にしていた。眼前にはただ唖然とする上司。ああ、まるでコントじゃないか。

 つらい状況に陥るとあやまってしまう、これはもう条件反射の域である。

 このぶんじゃあ、通り魔に刺されたりしても咄嗟に「す、すみませんっ!」なんて叫んでしまいそうで……。

 

3月2日(火曜) 夜

 セックスとは愛である。

 …かどうかは知らないが、世間の通説ではそういうことになってる。日常レベルでは「メイクラブ」「愛を交わす」といった慣用表現の存在がこれを支持しているし、哲学的には「愛」すなわちエロスとアガペーのうち、前者に性愛が含まれることがこれを支持している。

 社会通念に立って考えても「セックス=愛」という見解のほうが良識派と言えるだろう。セックスと愛の乖離はしばしば「モラルの低下」として非難される。

 ただ、ここでふと、人間の身体構造のイイカゲンさに思い至る。女性の場合はまだいいが、男性の場合、精液は尿道から排出される。つまり愛は、通路を尿と兼用されているんである。この「近くにあるから一緒でいいか」的なゾンザイさ。

 愛は最終的にオシッコと同じところから出る。これが「セックス=愛」論の結論といえるだろう。

 これほどまでにハシタナイ考えかたが高潔なものとして崇められている世界を「素敵」と言わずしてなんと言おうか。ああ、めくるめく倒錯の世界。良識とはかようにも素晴らしいものだったのか。

 もちろんぼくも、セックスは愛だと信じています。頼もしいぜ良識!!

 

3月1日(月曜) 深夜

 学生時代、サークルの先輩にMさんという男性がいた。

 Mさんはいつもみんなから小バカにされて笑われていた。言うことなすこと懐が狭いうえセコくてケチ。そのくせ自慢話が多い。これじゃあ笑われるのもしかたないなァ、と後輩のぼくらもみな思っておったわけですが。

 サークルの合宿に参加した折、Mさんは、周りにいるのがぼくら後輩だけになったのを見計らって話し始めたのでした。

 「オレはな、バカを演じてるんだよ…。ピエロなんだよ」
 「みんなを喜ばすのが好きなんだ。でもそれが演技ってバレたらつまらないだろ?」
 「だからオレはいつも笑われてるってわけさ」

 チョット待てくださいよ。

 本当に「みんなを喜ばすのが好き」で「演技ってバレ」たくないなら、わざわざ「バカを演じてるんだよ」なんて公言したりしないだろう。それにMさんの言動を見てると、とてもそんな風には思えない。正に「酸っぱいブドウ〜」式の合理化に他ならないんじゃないか。

 だいいち、こんな説教垂れるようなうっとうしいピエロなど見たことない。ひょっとして本物のバカかこいつは!?

 しーんと一同静まり返っているぼくらに向かって、Mさんは最後に言った。

 「おまえたちにはオレの素顔を知っておいてほしくてな…」

 その顔はなんだか寂しそうだった。そして思わず笑いそうになってしまった。この自己撞着を「真顔のコメディ」と言わずしてなんと言おうか。ああいいなあ、素敵だなあMさん。

 いま思うと、Mさんこそ真の意味でのピエロだったのかもしれません。天然物の底力。

 

 


   2004年2月のプチ日記 

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