2008年6月のプチ日記

6月27日(金曜) 深夜

 鉄道に詳しい知り合いから最近聞いた豆知識。

 駅の時刻表は1分刻みで書いてあるけれど、実は15秒単位で設定されていて、秒以下は「切り捨て」で表示されているらしい。

 たとえば「12時15分発車」であっても、15分00分発かもしれないし、15分15秒発かもしれないし、15分30秒発かもしれないし、15分45秒発かもしれない。だから、たとえ絶対間に合わないと思った電車でも、それが45秒発だったら余裕で間に合うかもしれないのだ。

 …という話を知って、こりゃスゴい! と皆に言いふらしているのだが、誰一人として驚いてくれないのでここに書いてみました。

 そして、秒単位で記された時刻表がものすごくほしい。秒単位で暮らしているわけじゃないけど、微妙な待ち時間って惜しくてたまらくないですか?

 

6月26日(木曜) 深夜

 携帯電話を眺めていたら、ふと思い出した。

 小学校3年生のクリスマスの朝、目が覚めると枕元に「サンタさん」からのプレゼントが置かれていた。飛び起きて包み紙を開けると、そこにはトランシーバーが2台セットで入っていた。……や、やったあ!!

 当時は携帯電話はもちろん、子機電話すら存在しなかった。そんな時代の小学生にとって、無線で通話できるトランシーバー(受信距離数十メートル程度の玩具だったのだけれど)が手に入ったことは、決して大げさではなく「未来を手に入れた」ような戸惑いと歓喜だった。

 さっそく、当時まだ幼稚園にもあがっていなかった妹を通信相手に定め、秘密の無線通信を一日中繰り返した。

ぼく:「聞こえる?」
妹:「うん」
ぼく:「あー、あー」
妹:「……」
ぼく:「いま何て言ったか分かった?」
妹:「うん。あー、あーってゆった」
ぼく:「じゃあクイズな。これから言ったこと、同じように繰り返すねんで」
妹:「うん」
ぼく:「うんこ」
妹:「うんこ」
ぼく:「しっこ」
妹:「しっこ」
ぼく:「ちんぽ」
妹:「ちん…ほ?」
ぼく:「ちゃうちゃう! ち・ん・ぽ!!」
妹:「ちゃうちゃう、ち・ん・ぽ!」

 このような通信が毎日のように行われた結果、ぼくと妹はお互いの部屋でトランシーバーに向かって「うんこ」「しっこ」「ちんぽ」だけを連呼し合うという、未来なのかどうなのかよく分からないことになっていたのだった。

 次第に「うんこ」「しっこ」「ちんぽ」しか発語しなくなった我が子の姿に両親も危機感をおぼえたのだろう。一週間ほど経ったある日、母親が突然、「今年のサンタさんはほんまにエラいもんくれはったわ!」と叫びながら、宝物のような存在だったトランシーバーを 鬼のような形相で手元から奪い取っていったのだった。

 場の雰囲気的に「サンタさん=悪者」という構図になっていて、当時は子ども心ながらに、サンタさんは大人から嫌われてるんだと思っていた。で、心の中で必死に「アンタは悪くないよ!」とサンタさんへの念を送っていたのだけれど。

 今さらながら母親に言いたい。悪いのはサンタじゃなくてアンタや! …うわ、またダジャレっぽくなってもうたがな!!

 

6月25日(水曜) 深夜

 京都市内でも路上駐輪に対する締めつけが厳しさを増している。

 たしかに歩行者やドライバーにとって路上駐輪は迷惑な存在だろうし、放置自転車によって緊急車両の通行が妨げられるケースも実際にあったと聞く。こう考えると、街にあふれる路駐自転車をなんとかせねばイカンという気になってくるのだが、それでもついやってしまうのが我ながら情けないところである。

 ただ、路駐を防ぐために所せましと張り巡らされているパイロン&ポール。これはどうなんだろう。

 今回は通勤途中に遭遇したコレひとつしか撮れなかったが、繁華街ではもっとすごいことになっている。あらゆる空きスペースに設置されまくっている結果、いたるところ危険区域のような様相を呈しているばかりか、歩くにも支障が出てきている始末なのだ。

 空いている場所とみれば駐輪してしまう側に問題があるのは承知しているつもりだけれど、せっかくのスペースをこうやってことごとく封鎖してしまうのも勿体ないというか、本末転倒な話だよなあと、いささかの滑稽さとともに憤慨してしまう昨今なのでありました。

 …なんだか単なるクレーマーみたいな日記になってしまって恥ずかしいので。

 さっき和英辞典をひいてみたところ、こういうジャマな妨害物のことを英語で"jammer"と言ってもいいっぽいことを意味なく付記しておきます。

 じゃあまァ、ジャマなジャマーってことで。失笑も出ませんですか。

 

6月24日(火曜) 深夜

 ウイスキーの小さい瓶(180ml)は「ベビーボトル」と呼ばれておるわけですが。

10年なのにベビー
12年でもベビー
響ベビー

 あまりにも荘厳で、かわいくない赤ちゃんたちを目の当たりにして、「ぎょっ!」とした本日。

 

6月23日(月曜) 夜

 日参している食料品店の鮮魚コーナーにて、こんな魚を見つけた。

「ますの助」(キングサーモン)

 一見したところありふれた鮭の切り身であるが、ひときれで880円とは結構高い。しかしよく見れば、普通のものより肉厚で美味しそうだ。

 それはいいとしても、「ますの助」とはまた牧歌的というか、のんびりしているというか。鮭のくせに「ます」だし、おまけに「の助」である。ちなみに別名は「キングサーモン」、たいそう雄々しく「サーモンの王様」ともあろう魚が、「ますの助」なんていう名称でいいんだろうか。これって、鬼軍曹と恐れられる上官の本名が「ハム太郎」だった、みたいなもんじゃないのか。

 …と、ひとしきり心の中で文句を並べ終えたのち、半額なので失敗してもまァいいかと思い、買って帰ってソテーにしてみたのでした。

ますの助プレート

 本当はバターでソテーしたかったのだけど、バターは依然売り切れなので、やむなくサラダ油にて。

 お味のほうは、確かにうまい! 肉がジューシーでとろけそうに柔らかく、まるでトロの炙り焼きのような風味を楽しむことができました(トロの炙り焼きなんて食べたこともないくせに書いてます。すみません)。

 調べてみたところ、かなり貴重な魚らしいので、もし売り場で見かけたら、ひとつ買ってみてはいかがでしょうか。ますの助。

 

6月20日(金曜) 深夜

 職場の社内サーバ上に、いろんな文書の「ひな型」が格納されている共有フォルダがある。

 見積書、請求書、報告書など各種ファイルが入っており、必要に応じてそのまま印刷したり、ローカルに落として上書きしたりするわけですが。

 本日、見積書のひな型(エクセルの文書ファイル)をダウンロードして編集していたら、ページの隅っこのセルに「鰻」と入力されているのに気がついた。ページの空白部分に「鰻」の一文字。なんだこれは!?(ちなみにウチの職場は鰻を扱うような業種ではない)

 とりあえず消去して使用したのだが、同僚たちに報告したところ犯人が判明した。同僚のFさんだった。印刷するために文書を開いたまま他の仕事をしていて、そのとき「ウナギ」の漢字が思い出せなかったものだから、ついつい眼前のエクセルファイルに「うなぎ」と入力して漢字変換して、確かめてしまったんだという。で、そのまま無意識のうちに上書き保存。

 もう少しで、唐突に「鰻」と書かれた見積書を先方に送ってしまうところでしたよ。まったく。

−−−

 さて昨日、Go smoking に連載しているコラムが更新されてます。

 今回のテーマは「貸しタスポ屋エレジー」。 今月1日から京都でもタスポが導入されたのに伴い、貸しタスポをやっている店が現れたので、そのレポートです。それにしてもタスポ、いったいどうなるんでしょうねえ。

 よければご覧いただけると嬉しいです。

 

6月19日(木曜) 深夜

 職場の同僚から宮崎みやげの「日向夏」という果物をもらった。

 ぱっと見たところありふれた柑橘系フルーツなのだが、取扱説明書(?)によればこの果物、果実を食べるというよりは、表皮と果肉の間にある「白皮」をメインに楽しむシステムになっているらしい。いわば北京ダック方式である。

 本日はせっかくなので、この北京ダック・フルーツを紹介してみます。

日向夏は「ファッショナブルな果物」なんだそうで。どれだけファッショナブルなのか、期待に胸が高鳴りますな!
 
まずは表皮をなるべく薄くむき、現れた白皮をつけたままそぎ落とす(芯部分は残す)。なるほど、ファッショナブルかも!
 
というわけで、表皮を薄くむいてみました。ううむ、ここまでファッショナブルだったとは……。ここ数年間で最もファッショナブルな存在である。
 
見よう見まねで削ぎ切りしてみたら、ファッショナブル度は一挙に加速し、凡人には理解できない域に達してしまいました。

 さっそく食べてみたところ、確かにスポンジみたいな「白皮」が妙に美味しい。グレープフルーツなどの白皮にある苦味がまったくなくて、ほのかな甘みとやさしいフレイバーが口に広がる。そしてわずかな果実の瑞々しい甘酸っぱさが、程よいアクセントをもたらしてくれる。

 ファッショナブルとは、正にこういうことだったのだと、褌を締めなおしております。

解説によれば、「ニューサマーオレジン」という異名も持っているそうです。オレジンおしゃれ!!

 

6月18日(水曜) 深夜

 仕事で上司から、ものすごく簡単な作業を任された。

 で、「そんなの、赤子のチンチンをひねるようなもんじゃないですか?」と申し上げたところ、周囲から一斉に白い目で見られた。「なにそれ!?」「それって幼児虐待ですよ!」等々。…あれ、こういう慣用句ってなかったっけ?

 恥を忍んで訊いてみたら、赤子の手をひねるだった。そういえばそんな言葉だった気もする。

 知らないあいだにすりかわっていた自分の記憶に、ただ唖然。

−−−

 そういや同僚に、「ぼくって父と母の悪いとこだけ継いでるんですよ」と自嘲したら、「そうなんですか」と言われた。

 なんでも無条件に聞くのがいいとよく言われるけれど、こういうのは否定してほしくて言ってるので、どうかひとつ。

 

6月17日(火曜) 深夜

 自宅のパソコンのマウスをワイヤレス式に買い換えた。

 当初はずっしり重くて困惑したものの(中に乾電池を入れるため。マウスをしょっちゅう持ち上げる癖が自分にあることに初めて気がついた)、使い慣れるとすこぶる快適で、これは買ってよかったとすっかり満足していたわけでありますが。

 ワイヤレスマウスに慣れてしまうと、今度は職場のパソコンのワイヤードマウスが猛烈に気になってきて。うわあ、なんじゃこのコードは!? 動かすたびに引っかかって、とても仕事にならない!!

 便利さにはすぐ慣れるけれど、不便さにはちっとも慣れないからこそ、いろんな新製品が登場するんだなァと改めて思った本日。

 今のところ、職場での不便さだけが残り続けてます。ワイヤレスなんて知るんじゃなかった。

−−−

 そして本日のお花です。某料亭のトイレにて。

一見ふつうの造花だけれど…

うわっ、カビだらけ!

 フラワーアートもどうやら前衛が隆盛のようで。

 

6月16日(月曜) 深夜

 太陽電池タイプの腕時計にして以来、折を見てはベランダで「充電」するのが最近のライフスタイルとなっている。

 たいていはふとんを干すとき一緒に時計も出しているのだが、以前から幾ばくかの不安があった。それはカラスである。カラスは光るものが大好きらしいから、いつか持っていかれるんじゃないかと思うと矢も盾もたまらず、ベランダへと一目散に駆け寄ってしまうのだ。

 カラスに腕時計を盗られるというのも情けないが、それに怯え続けるのはもっと情けない。ああ、どれだけ人間の器が小さいんだ!

 そこで一計を案じ、腕時計と物干し竿とをロープで結わえて、万一カラスが持ち去ろうとしても大丈夫なように工夫してみた。ちょうどいいロープがなかったので、たまたま手元にあった壊れたマウスのコード部分を利用して。

枕とふとんの間に時計を干す

マウスのコードで物干し竿と連結

 やってみると、これがなかなか具合がいい。マウスのコードは丈夫だから切られる心配もないし、カラスのことなど考えることなく部屋で本を読んだりテレビを見たりできる。ああ、こんなに快適なことがあるだろうか。やってよかった!!

 …というわけで、自分の工夫を自慢したくなって同僚に話してみたところ、感心してもらえるどころか、逆に鼻で笑われてしまった。

 悔しいのでここに書いてみる。ここだと読んだ人から鼻で笑われても分からないから精神衛生にいい。

 

6月13日(金曜) 深夜

 先日、新しいスニーカーを購入した。

 長らく履き慣れたスニーカーは、そのままでも自在に脱ぎ履きできる、いわば「サンダルの上等バージョン」のような存在なのだけれども、買ったばかりのスニーカーは真新しくてピカピカなうえ、かかとも靴底も固くしっかりしているものだから、すぐに履きつぶすのはあまりに忍びない。

 なので初めの1週間くらいだけは、毎回靴ヒモを外したり結んだりして脱ぎ履きする、いわば「本格靴」として暮らしの中に君臨することになる。

 …というわけで、しっかりとヒモを結えて本格靴として履いて会社から帰宅していた本日の夕刻。

 近所のスーパーに立ち寄って自宅へと歩を進めていたとき、突然ものすごい便意に襲われたのだった。で、脂汗が額を伝い、「走ると出そうになる、歩くと時間が間に合わない」という逼迫した状況に追い込まれながらも、きわっきわでなんとか玄関先までたどり着いたところ。

 靴が脱げない! しっかりヒモを結んでいるものだから、そのまま脱ごうとしても靴が食らいついてくる!!

 左足のヒモを外して脱いだ時点で限界が到来し、そのまま家にあがってトイレへと直行したわけでありますが。

 「片足だけスニーカーを履いてうんこする」と体験がこれほどまでに屈辱的であったことに、自分でも驚いた本日でした。

 

6月12日(木曜) 深夜

 某教育組織を相手に、同僚I君と組んで完全犯罪を行い、合計2万円をせしめる…という夢を見た。

 夢の中でぼくらは、そのせいで国際指名手配されてしまい、2万円を片手に逃亡生活を送るハメになるという内容である。

 完全犯罪なのに2万円、完全犯罪なのに国際指名手配。

 壮大なのかセコいのか皆目分からず、目が覚めるなり大混乱に陥った本日の朝。

−−−

 そして本日のバスマットです。

 他所様の洗濯物をこっそり撮るというのはあまり感心した趣味ではないんですが、「UNKO」プリントのバスマットにたまらず一枚。

 いやまァ、おそらく "Mr.JUNKO" ブランドのプリントなんでしょうけれど。

 そういやDCブランド全盛の頃、 "Mr.JUNKO" のプリントTシャツを着ていた女子生徒が見る角度によっては「UNKOプリントのTシャツ」になっていて、おそろしく莫迦っぽかったのを思い出しました。

 

6月11日(水曜) 深夜

 物忘れが多くなってきたので、買い物に出るときは「買うものリスト」を持ち歩いている昨今。

 本日も買い物リストを携えて、ジュンク堂書店に足を運んだ。自分で本を探すのが面倒なので、買い物リストの紙片をそのままカウンターに提示して、「この本探していただきたいんですけど…」と店員に告げる。これがいつものやり方である。

 しかし今回は、間髪いれず店員が切り返してきた。

 「あのう…これは書名ということでよろしいんでしょうか? 著者名と出版社名は分かりますでしょうか?」

 だからリストに全部書いてあるだろうがっ! 書名・著者名・出版社名の順に書いてあるのに分からんのか、このドめくら新人めがっ!!

 内心ムッとしつつ、しかしこんなことで怒るのも大人げないので、静かにイヤミを込めて「ええっと、ここにすべて書いてあると思うんですが…」。

 と言いながら紙片に目を落として、そのまま固まってしまった。間違えて別の買い物リストを出していたのだ(下の写真がその現物)。

  「パイプマン」「コンソメ」「玉ねぎ(特売)」「サランラップ」……こんな書名の本、あるはずないだろうに、なにが「これは書名ということでよろしいんでしょうか?」だ! ああ、恥ずかしくて死にそうだよっ!!

 

6月10日(火曜) 夜

 京都は一条御前から西へと続く、大将軍商店街(通称「妖怪ストリート」)をサイクリングしてきました。

 通称が「妖怪ストリート」というのは、まァなんてことはない。要は町おこしのために手作り妖怪をセールスポイントにしようという目論見のようなんですが、プロの手が入らない手作りというのは、いつの時代も芳ばしくて素晴らしいなァと。

一見なんの変哲もない商店街入り口。しかし一歩足を踏み入れると…
 
いきなり登場、青オニです。オニが妖怪なのかどうか気にするのは野暮!
 
布地店の店頭にて。布地だけに一反木綿のようですが、まァ可愛らしい。
 
魚屋の前にはこんな「妖怪」が。ただ単に魚が浴衣を着てるだけですが。
 
ラーメン屋前にて。これを見てチンコを連想するなというほうが無理!
 
植木屋前にて。植木屋だけに植物の妖怪というのが涙を誘います。
 
そして薬局の前には、バンドエイドの妖怪が! もうなんでもアリです。
 
制服屋の妖怪は、やっぱり制服をきています。校則には従順なのな
 
煎餅屋の妖怪はリアルな店主。自分が妖怪だという自覚があるようで。
 
ひょっとこ妖怪。ひょっとこの口が鼻になってるのが「工夫」でしょうか。
 
今回一番恐かった妖怪。タイヤお化けだっ!…横浜ゴムのキャラでした。
 
商店街事務所には弦楽器お化けが。中にはヒマそうな常勤職員が。
 

 おまけ:上記商店街で見かけたゴミ置き場。

 家の前がゴミ収集場所に指定されているおかげで、本当に可哀想なことになってました。こんなに可哀想なものを見たのは何年ぶりだろう。

 

6月6日(金曜) 深夜

 本日、Go smoking に連載しているコラムが更新されてます。

 今回のテーマは「毒ガス島でタバコを吸う」。 先月の連休に広島は毒ガス島こと大久野島を巡ってきたときのレポートです。第二次大戦当時、軍事機密のため日本地図から消してまで密かに毒ガスを製造していたという現場は、なかなか興味深いものがありました。

 よければご覧いただけると嬉しいです。

 

6月5日(木曜) 深夜

 通勤電車の車内で、隣にいた女子高生グループが喋っていた。

 なんでも、その中の一人が少し前に別れた彼氏とヨリを戻したいと思っているものの、最近まったく連絡をとっていないからどうしたらいいだろう…みたいな話題で真剣に話し込んでいるようす。

 で、しばらくして、当のヨリを戻したい本人が意を決したように宣言したのだった。

 「やっぱりメールとかするより、毛ガニ送ろうと思う」

 ええっ!? 毛ガニ??

 あまりに唐突な展開に、関係ないこっちまですっかり動揺してしまい。

 確かにメールよりは毛ガニのほうが心を揺さぶられるかもしれない。思いのたけの大きさが伝わるかもしれない。いやしかし、獲物で相手の気を引こうとするなんて現代人の、それも女子高生のやることか。おまけに、よりによって毛ガニだぜ?? ううむ、ぜんぜん分からない!!

 …などとアレコレ混乱しながら話の続きを聞いているうちに分かってきた。「手紙」を「毛ガニ」と聞き違えていたのだ。なーんだ、手紙かよ。

 聞き違えにもひょっとしたら、深層心理が反映するのかもしれませんな。確かに私は毛ガニを食べたい。

 

6月4日(水曜) 深夜

 同僚と行ったイタリア料理屋のカウンターに、なぜか蝿叩きが置いてあったわけですが。

 「これって何のために置いてあるんですかねえ?」と同僚がしきりに訝るのがおかしくて、ついついウソを並べてしまったのでした。

 「イタリアの店には蝿叩きを飾る風習があるんですよ。蝿叩きにたくさん蝿が付いていればいるほど、ウチは商売が繁盛してますよっていう」

 で、「へえー、そうなんですか」「でも…蝿を叩いたやつを並べてるってちょっと気持ち悪いなァ」と感心する同僚の姿に満ち足りた気分を味わっていたところ、店員が駆け寄ってきて「違います!違います!」。

 蝿叩きの網が人の顔の模様になっているのが面白いから、オブジェとして飾ってるんだそうで。

 

 他所様の店でイイカゲンなことを言うもんじゃないなと、ほんの少しだけ反省しております。

 

6月3日(火曜) 深夜

 自動車の後部座席のシートベルト着用が義務化された。

 おまけにバスの座席までシートベルトが義務化されたおかげで、何だかおかしなことになっている。

 乗客がシートベルトをしていなければ運転手が罰せられるわけだが、シートベルトの付いていない補助席や、市バスなどの路線バスでは着用しなくてもOKらしい。でも、観光バスのバスガイドさんは今後、立って喋るのは禁止になりそうとのこと。

 どうせなら、もっととことん全国民の命を大切にしたらいいんじゃないか。

  政府というのはおふくろのようなものですから。国民は子どもみたいなものですから。バブー。いいことしても小遣いはくれないけどね。


2008年5月のプチ日記 

Otearai Webの表紙へ